統計から見えない充電インフラ整備の裏事情
自動車情報サイトの「汽車公社」は中国電気自動車充電インフラ促進連盟が発表した11月の充電・バッテリー交換インフラ稼働状況を引用したところによると、2021年11月は2021年10月と比べ、公共充電スタンドが3.0万台増加し、11月は前年同期比57.1%増となった。
1-11月の充電インフラの新規増加は70.4万台で、2021年11月時点の全国の充電インフラの累計台数は238.5万台で、前年比55%増加した。
2021年11月現在、同連盟内のメンバー機関は合計109.2万台の公共系充電スタンド(直流45.0万台、交流64.6万台、交流直流一体型406台)を申告している。うち広東省、上海市、北京市、江蘇省、浙江省、山東省、湖北省、安徽省、河南省、福建省のトップ10地区で、建設された公共充電インフラが全体の71.7%に達している。
「汽車公社」は、充電スタンド市場は好調で、新エネルギー車の発展に対して、促進効果を発揮していると評価する一方、克服すべき課題も少なくないと問題提起している。
「汽車公社」によると、多くの企業が考えているのは、最も必要な場所に充電インフラを整備することではなく、まず充電スタンドを建設して、短い政策優遇期間において、できるだけ多くの補助金を獲得することである。どこに建設するか、効果がどうなるかについてはこれらの企業にとってそれほど重要ではない。
実際、他社より先にシェアを獲得するため、多くの第三者充電スタンド会社が参入する際、ユーザーの実際のニーズを考慮せず、建設できるところから優先的に充電スタンドを整備している。皮肉なことに、中国の充電スタンド保有台数は世界一であるが、公共充電スタンドの利用率は20%に満たない。
多くの専用充電スペースは、立地が悪いため、ガソリン車の駐車場にならざるを得ない。また、公共充電スタンドの使い勝手がバラバラなことも、直面すべき問題である。多くの地方都市に行くと、メンテナンスが悪いため、多くの公共充電スタンドは稼働できず、ただの飾りになっている。