トヨタの北京燃料電池プロジェクトが竣工、7月に生産開始予定
6月7日、「北京亦荘」のWeChat公式アカウントが、北京市が水素エネルギー分野で導入した最大の外資プロジェクトの一つであるトヨタの燃料電池研究開発・生産プロジェクト(1期)がこのほど竣工検収に合格したことを明らかにしました。
今回のプロジェクトの敷地面積は約11万平方メートルで、生産工場、テスト作業場、研究開発センター兼オフィスビル、実験室、総合駅舎、廃品庫、水素供給ステーションの7つの建物単体が含まれ、主にトヨタの技術を基礎とする水素燃料電池スタック及びシステムの研究開発と生産機能を担います。同プロジェクトの主体は北京亦荘に拠点を置くFCTS(華豊燃料電池有限公司)とFCRD(連合燃料電池システム研究開発北京有限公司)で構成されます。
トヨタの燃料電池研究開発・生産プロジェクト(1期)が2022年10月に亦荘にある北京市経済技術開発区でスタートし、今年6月に竣工・検収し、今年7月に生産を開始する予定です。その際、同プロジェクトは燃料電池の研究開発、生産、販売を一体化し、初期の生産能力拡大段階を経て、年産5000−10000台の燃料電池システム及びスタックを生産する能力を形成し、到達後は毎年30億−50億元の工業生産額をもたらす見通しです。また2026年までに、プロジェクト2期の開始により生産能力の倍増を実現します。
トヨタ自動車の燃料電池プロジェクトは2019年から始まっており、中国政府が水素エネルギーを発展戦略に盛り込んだことを受け、中国との協力模索を始めました。同社は初めて清華大学と提携して清華大学-トヨタ連合研究院を設立し、水素エネルギー技術、政策、ビジネスモデルの研究と提携の推進に取り組んでいます。その直後、トヨタは複数の中国企業と共同で連合燃料電池システム研究開発(北京)有限公司を設立し、水素燃料電池システムの研究開発に着手しました。
トヨタの中国における燃料電池プロジェクトは世間の注目を受けています。まず、トヨタの中国市場における水素エネルギー事業が研究開発から生産へと徐々に移行し、ビジネスコンセプトから実用化運営へと移行していることを示しています。次に、トヨタの中国展開は燃料電池システムの全産業チェーンをカバーし、研究開発から生産、販売まで、完全な産業エコシステムを形成しています。これは中国の水素エネルギー産業の発展推進に役立つだけでなく、トヨタの中国市場における戦略的配置にも重要なサポートを提供しています。
技術面ではトヨタの燃料電池システムがトップレベルです。例えば、最新の製品TL Power 80はトヨタMIRAI次世代金属板スタックを採用し、システム性能が優れており、出力密度は4.2kW/L、586W/kgに達し、低温コールドスタート機能と高効率などの特徴があります。これらの製品は商用車分野の需要に対応するだけでなく、持続的なコスト削減が可能な特徴を備えており、市場での好反響が期待されています。
また、トヨタは中国の水素エネルギー産業のインフラ整備や基準制定作業にも積極的に参加しています。産学官機関との連携により、トヨタは関連規格の策定に成功し、水素ステーションの計画・建設にも積極的に参加しています。これらの措置は、水素エネルギー産業発展におけるボトルネック問題の解決に役立ち、自動車産業における水素エネルギー技術の普及を推進します。