米国、中国向け半導体輸出規制をさらに強化!最新制裁内容を徹底解説
12月2日(現地時間)、アメリカ商務省産業安全局(BIS)は中国向け半導体輸出規制の新たな規則を発表しました。この新たな規制は、中国半導体産業に対する過去3年間での3度目の打撃となります。その目的は、中国の人工知能(AI)や先進半導体の発展をさらに制限し、軍事的に活用される可能性のある高度な半導体やAIシステムの国内開発を遅らせることにあります。以下に具体的な内容をまとめます。
重要な装置およびソフトウェアツールの輸出制限
アメリカ商務省は今回の文書で、新たに24種類の半導体製造装置に対する規制を追加しました。この規制は、一部のエッチング、堆積、リソグラフィー、イオン注入、アニール(熱処理)、測定、検査、洗浄ツールに適用されます。また、電子計算機補助ソフトウェア(ECAD)や技術計算機補助設計(TCAD)ソフトウェアなどの技術に関する規制も強化され、既存のソフトウェアキー管理に関する規定についても説明が追加されました。
エンティティリストの拡大
中国関連の新たな136のエンティティが「エンティティリスト」に追加され、既存の14エンティティについて修正が行われました。これには、中国の半導体装置メーカー、ウェーハ製造工場、投資会社のほか、一部の日本、韓国、シンガポールに拠点を置く企業が含まれます。
情報筋によると、今回エンティティリストに追加された中国の企業は、20社以上の半導体企業、2つの投資機関、100を超える半導体製造装置メーカーを含んでいます。これらには北方華創、拓荆科技、新凯来などの装置メーカー、昇维旭、青島芯恩、鵬新旭などのウェーハ工場が挙げられます。これらの企業に対し、米国のサプライヤーが特別な許可を得ずに製品を輸出することは禁止されます。
また、エンティティリストの中で、特にファーウェイの主要パートナー企業を明記しています。これには、長光集智光学、鵬新旭、新凯来、昇维旭、青島芯恩有限公司などが含まれます。
さらに、エンティティリストには中国の2つの投資会社である智路資本と聞泰科技が追加されました。
高帯域幅メモリ(HBM)の規制
HBMに対する新たな規制が導入されました。これには、アメリカ原産のHBM、または「先進計算に関する外国直接製品規則(FDP)」に基づきEARの規制対象となる外国製HBMが含まれます。特定のHBMのみが新たな「HBMライセンス例外」を通じて許可されます。
生成型AIの急速な発展に伴い、高性能AIチップの需要が急増しています。これにより、AIチップに搭載されるHBM(高帯域幅メモリ)の需要も急増しています。HBMは高性能AIチップの中核部品であるため、今回の規制でその供給が制限されました。
米国は2022年10月以降、中国が外部の先進AIチップを取得する能力や内部での先進AIチップ製造能力を直接的に制限してきました。HBMはこれらのAIチップに不可欠な部品であり、今回の規制ではHBM2、HBM3、HBM3eなどの先進的なHBMチップとその製造装置が中国への輸出禁止対象となります。
現在、SKハイニックス、マイクロン、サムスンの3社が世界の主要なHBM供給企業です。2023年から中国政府の規制を受けているマイクロンを除き、SKハイニックスとサムスンは、HBM2およびそれ以上の規格のHBMチップを中国に輸出することが禁止されるでしょう。
一部の同盟国企業に対する外国直接製品規則の適用
外国直接製品規則(FDP)が適用され、米国技術を含むすべての製品が規制対象となります。この規則により、シンガポール、マレーシア、イスラエル、台湾の企業が中国への製品輸出を制限されます。
例えば、中国企業と緊密な関係を築いているシンガポールの勝科工業、イスラエルのApplied Materials Israel、台湾のCHPT(中華精測科技)、マレーシアのVitroxなどが規制の対象となる可能性はあるとされています。
一方、日本、オランダ、イタリア、フランスなど30か国以上の同盟国は、米国の輸出規制に追随して制限措置を導入しているため、新規則の対象外として免除措置を受けています。