北京汽車集団は8億元の低価格で神州レンタカーを買収し、モビリティ事業への転換を加速
苦境に陥っていた神州レンタカー(CAR Inc.)に新たな転機が訪れた。
神州レンタカーは6月1日、香港証券取引所で、北京汽車集団有限公司(BAIC)が神州レンタカーの株式を4億5000万株以上取得すると発表した。これは公告日の発行済み株式総額の約21.26%に相当する。この取引が完了すれば、北京汽車集団は神州レンタカーの第2位株主となる。
4月以降、神州レンタカーの株価は過去の半分以下を割りこんだ。6月1日始値は1.94香港ドル。これで計算すると、今回の買収費用は約8億元となる。
株価が下落しているにもかかわらず、神州レンタカーは依然として国内最大規模のレンタカー業者だ。
今年第1四半期(1-3月)の総収入は前年同期比28.3%減の13億2500万元、純損失は1億8800万元だった。このうちリース収入は30.6%減の8億7800万元だった。第1四半期は、新コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの店舗が閉鎖されたものの、1日当たりの業務実績は前年同期比9.6%増の11万3325台になった。
今回の買収発表で同日の神州レンタカーの株価は、寄り付きから8%上昇し、上げ幅は一時23%を超えた。これに呼応するかのように、北汽集団傘下のA株上場会社の北汽藍谷も同日、3%を超す上昇となった。
業界では、北汽集団が発表した「BEIJING」ブランド戦略の中で、販売目標と新エネルギー自動車の布石のほか、モビリティサービスなどの新しいビジネスモデルを中心に業務内容のサービス化を推進することに注目している。買収が成功すれば、北京汽車集団は神州レンタカーを利用してレンタカー市場に参入することができる。
ちなみに、北京汽車集団は「首汽約車」のプラットフォームをすでに持っているが、「首汽約車」はオンライン配車業務に偏っている。また、北京汽車集団傘下のもう一つのモビリティ事業者「華夏モビリティ」は総合モビリティのプロバイダーに位置づけられており、業務範囲はカーシェアリング、オンライン配車、都市部での個人間物流、クロスカントリードライブなど複数のサービスをカバーしている。これまでに、同社は全国20都市以上に展開しており、運営車両は2万2000台に達している。