BYD、2030年に海外販売50%達成を狙うも、日本市場では苦戦続く

ロイター通信が5月8日に報じたところによると、事情に詳しい4人の関係者によれば、BYDは2030年までに自動車販売の半数を中国国外で行う計画を立てているとのことです。
昨年8月、BYD副総裁の李柯氏は深圳本社でのインタビューにおいて、将来的に海外市場が世界販売の中で大きな比重を占め、「将来的には販売の約半分が海外からになる」と語っていました。今回のロイターの報道は、その「約半分が海外から」という構想に対して、BYDが具体的なタイムスケジュールを設定したことを示しています。
報道によれば、欧州および中南米での拡大が成長を牽引する見通しです。昨年末以降、BYDの幹部は一部の投資家グループに対し、2030年の目標を説明しており、欧州市場での拡大がその達成に不可欠であると強調しています。
先月の上海モーターショー期間中、BYDの世界戦略に詳しい人物は、同社が将来に自信を持っている理由として、過去5年間に中国で電気自動車(EV)およびプラグインハイブリッド車(PHEV)において爆発的な成長を遂げたことを挙げました。
また、BYDと投資家の議論に詳しい第三者の情報筋によれば、「BYDは今、海外市場でも中国と同様の成功を再現できる適切な製品を有していると確信している」とのことです。
なお、BYDはロイターのコメント要請には応じていません。
BYDは2024年にフォルクスワーゲンを抜いて、中国で販売台数トップの自動車メーカーとなりました。
2025年3月25日、BYD会長の王伝福氏は、2025年の販売目標を550万台と発表し、そのうち80万台以上を海外市場としています。これを換算すると、中国国内市場の成長率は約30%、海外市場では91.8%と急成長を見込んでいます。
2024年のBYDの販売目標は当初360万台でしたが、後に400万台に修正され、最終的には427.21万台を達成しました。前年比で41.26%増加しており、そのうち海外販売は41.72万台で、前年比71.86%の大幅な増加となりました。
BYDの2025年4月における乗用車販売台数は37万2615台で、前年同月比19.4%増、前月比0.3%増となりました。2025年1月から4月の累計販売台数は138万台で、前年同期比47%増加しています。また、2025年4月の海外での新エネルギー車の販売台数は7万9086台でした。
一方、日本市場では、日本自動車輸入組合(JAIA)の統計によると、BYDの2025年1〜4月の販売台数はそれぞれ42台、173台、327台、166台にとどまっています。特に日本の年度末には販売が増加したものの、新年度が始まった4月には大きく減少しています。平均すると、BYDの日本での月間販売台数は177台で、2024年の月間平均185台とほぼ変わらず、輸入普通乗用車の中での順位も大きな変化はありません。
ロイターは、BYDのように急成長を遂げている自動車メーカーにとっても、この目標は非常に大きな挑戦であると指摘しています。というのも、BYDの2024年の総販売台数427万台のうち、約9割は中国国内市場で占められているためです。