BYDが日本の軽自動車市場に参入へ!2026年発売予定の新型モデルがスパイショットで判明

5月13日、Bilibili(ビリビリ動画)の人気投稿者「蒜苔パパ」が、BYDの新型車の公道テスト中のスパイショットを最初に公開しました。この新型車はコンパクトなサイズで、スライド式のサイドドアとダブルAピラーを採用しており、外観から見ても典型的な「軽自動車」のスタイルとなっています。
BYD開発中の小型EV(スパイショット)
写真:インタネット
注目すべきは、今年4月に一部メディアが報じたところによると、BYDは日本市場向けに軽自動車規格に適合した小型電気自動車を開発中であり、この車両は中国で生産された後、日本へ輸出され、2026年下半期の発売を予定しているという点です。BYDはこのモデルで、来年、日本の軽自動車市場におけるシェア40%を目指しているとのこと。「蒜苔パパ」が公開したスパイショットの車両は、まさにこの日本専用モデルだとの見方も出ています。
この小型EVは「ハコ型」のスクエアなデザインを採用し、四隅にタイヤを配置することで、室内空間の確保に優れた構造となっています。駆動方式はピュアEV(純電動)で、20kWhのバッテリーを搭載。WLTC基準での航続距離は180kmとされ、ヒートポンプ式エアコンを装備し、100kWの急速充電にも対応しています。
さらに、価格についても情報が明らかになっており、約250万円(約13.3万元)からの設定になるとのことです。ライバル車としては、日産の「サクラ」や三菱の「eK X EV」が想定されており、価格面ではBYDの軽EVが優位に立つと見られます。
過去には、中国小型自動車メーカーの五菱(Wuling)が「宏光MINI」をはじめとする複数の小型EVを中国市場に投入してきました。今年1月には新型「五菱之光EV」も発表されましたが、中国国内では小型EVの販売は決して好調とは言えない状況です。これは、中国市場がまだ自家用車の普及段階にあり、購入者が「最初の1台」としてファミリーカーを求める傾向が強いためです。一方、小型EVのような軽自動車は、家族向けの「2台目以降」としての需要にマッチする車種と言えるでしょう。
このような背景を考慮すると、BYDが開発した小型EVは、中国市場では投入せず、日本市場向けに専用モデルになる可能性は高いと考えられます。日本市場だけということとなると、これはビジネス的には割に合わない取り組みとも考えられます。しかしながら、BYDとしては、軽自動車市場への参入によって、日本市場における主力モデルの販売不振を打開したいという強い意図があるのかもしれません。採算度外視であっても、まずは販売台数の拡大を優先する姿勢がうかがえます。