BYD、韓国市場に本格参入:初のモデル「ATTO 3」投入、2025年の年間販売目標は1万台

1月16日、BYDは韓国乗用車市場への本格進出を発表し、初のモデル「ATTO 3」をリリースしました。同モデルは韓国市場の第1弾車種として、スタンダード版とアップグレード版(ATTO 3 Plus)の2つのバージョンを展開しています。スタンダード版の価格は3100万ウォン(約156万円)、アップグレード版は3300万ウォン(約166万円)で、どちらのモデルにもリン酸鉄リチウム電池が搭載されており、容量は60.48kWhです。バッテリーは20%から80%までの充電がわずか30分で可能で、航続距離は常温で321km、低温で309kmとなっています。

BYDは2025年までに、セダン型の「海豹(SEAL)」やSUV型の「海獅(SEALION)」を含む3つの新車種を韓国市場に投入する予定です。また、韓国国内の6つの公認ディーラーと提携し、全国で15のショールームと11のサービスセンターを設立する計画です。2025年の販売目標は1万台で、内訳はATTO 3が4020台、海豹(SEAL)が2010台、海豚(DOLPHIN)が1390台、海獅(SEALION)が2580台となっています。

BYDは近年、韓国市場において電動バスや電動フォークリフトを展開しており、2023年末時点で同社の電動バスは韓国で1056台が稼働し、市場シェアは54.1%に達しています。しかし、乗用車市場ではさらに厳しい競争が待ち受けています。韓国市場は長らく現代(Hyundai)やキア(Kia)といった国内メーカーが支配しており、この2社の市場シェアは90%以上を占めています。さらに、テスラ、BMW、メルセデス・ベンツといった輸入ブランドが電気自動車市場で強力な存在感を示しており、BYDの市場開拓における大きな課題となっています。

韓国の新エネルギー車市場全体を見ると、2024年の販売台数は45万台に達し、前年比11.1%増加しました。そのうち電気自動車の割合は約19%を占めています。しかし、中国の自動車ブランドに対する韓国消費者の信頼度は依然として低く、これはBYDにとって解決すべき喫緊の課題です。韓国市場での地盤を固めるために、BYDは高いコストパフォーマンスを備えた製品を武器に、韓国消費者の中国ブランドに対する印象を徐々に改善し、新たな業績成長の可能性を模索しています。

BYD韓国法人の責任者は、まずは韓国消費者にBYDの製品を体験してもらうことが最優先であり、市場シェアの争奪は現時点での主要な課題ではないと述べています。競争の激しい韓国市場において、BYDは消費者の支持を少しずつ積み重ねることで、長期的な多様化発展の目標を達成する戦略を掲げています。

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