BYD半導体、生産拡張に専念、中国版ナスダックの「創業板」への上場を中止
BYDは11月15日、同社子会社のBYD半導体が、中国版ナスダックの「創業板」への上場を中止し、関連上場申請書類を取り下げると発表した。
上場申請を取り下げる理由として、BYDは、新エネ車産業の高度成長によりチップ供給が深刻に不足しており、車載級IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)生産能力のボトルネックとなっているウエハー生産能力の建設を加速させるためであると説明した。
最近、世界的にウェハー生産拡大ラッシュが起きている。研究機関Knometa Researchによると、2022-2025年には世界で新たに41のウェハー工場が建設される可能性があり、うち32カ所はアジアにあるという。こうした中で生産能力と供給能力をできるだけ早く引き上げるため、BYD半導体も急いで大規模なウエハー生産能力の投資建設を展開する予定である。
BYD半導体の前身はBYDマイクロエレクトロニクスで、2004年10月に設立され、2020年4月に社名変更と再編が完了し、主な業務はIGBT、スマート制御IC、スマートセンサー、光電半導体の研究開発と生産販売、チップ設計、ウエハー製造、パッケージテストなどである。
特にIGBT分野では、BYD半導体が2019、2020の2年連続で新エネルギー乗用車用モータードライバー(モーターを制御するためのドライバIC)メーカーとしてInfineonに次ぐ世界2位、国内1位となった。
報道によると、IGBT分野では、2020年にBYD半導体のシェアが19%である。これは親会社のBYDへの供給量を占める割合が大きかったためである。それ以外に同社は、Xpeng、東風VOYAH(嵐図)、Yutong(宇通汽車)、小康汽車、長安汽車などの地場メーカーのサプライヤーシステムに入っており、現在は主にIGBTモジュール、電流センサー、車載映像センサーモジュール、車載システムなどの製品を供給している。
BYDはまた、条件が整い次第、BYD半導体の分社化と上場作業を再び開始すると表明した。