BYD、9月販売が1年半ぶりに前年割れ──通年460万台目標へ正念場

 10月1日、BYDは2025年9月の生産・販売速報を発表しました。データによると、同月の新エネルギー車販売台数は39万6,300台で、前年同月比5.5%減となりました。今年に入って初めての前年割れであり、2024年3月以来の減少です。ただし前月比では増加を維持し、8月の37万3,600台を上回り、約6%の伸びを記録しました。

 このうち乗用車の販売は39万3,060台、前年同月比5.9%減となりました。1~9月の累計販売台数は326万100台で、前年同期比18.6%増となっています。通年目標は下方修正後に460万台とされており、達成まで残り約134万台。今後3か月で平均月45万台を販売する必要があります。もっとも、年末は自動車販売の繁忙期にあたるうえ、2026年から新エネルギー車に購入税が再課税されるため、年内に需要が前倒しで高まるとの見方もあります。業界関係者の間では、BYDが目標を達成する可能性は十分あるものの、販売減少の流れを食い止められるかどうかが正念場になると見られています。

 海外市場ではBYDは引き続き好調を維持しています。9月の新エネルギー車輸出台数は7万1,256台で、前年同月比で2倍以上となりました。このうち乗用車とピックアップトラックの海外販売は7万851台に上りました。

 ブランド別では、王朝ネットワーク/海洋ネットワークが9月に35万5,774台を販売しました。方程豹ブランドは2万4,121台、DENZA(騰勢)は1万2,407台を記録し、仰望ブランドは758台にとどまりました。

 王朝ネットワークでは秦シリーズが依然として販売の柱となり、9月の販売は6万7,577台でした。元シリーズは合計4万5,291台を販売し、そのうち元UPはエントリーモデル投入で台数を伸ばし、元PLUSを上回りました。宋シリーズは2万4,089台と市場予想を下回りました。中高級モデルの漢、唐、夏シリーズも苦戦し、それぞれ8,690台、1万3,620台、3,384台にとどまりました。同社が仕掛けた値下げ競争が自社のブランド力に影響しつつあることがうかがえます。

 海洋ネットワーク全体の販売は18万9,400台でした。シーライオン(海狮)シリーズが5万4,065台で首位を占め、シール(海豹)シリーズは5.1万台を販売し、その中でもシール06が最大の貢献を果たしました。シーガル(海鴎)とドルフィン(海豚)はそれぞれ3万4,586台、2万1,888台となりました。一方で宋PLUS(注)は海洋ネットワーク内での位置付けが曖昧になりつつあり、その将来は不透明となっています。

 

BYD 各ブランドの9月販売台数

出典:BYD

注:宋PLUSは当初、王朝ネットワークに属していましたが、海洋ネットワークは立ち上げ当初の注目度が十分でなかったため、販売好調な宋PLUSを同ネットワークに組み入れ、知名度を高める狙いがありました。

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