Geely、Tascoとベトナムに自動車組立工場を建設!1.68億ドル投資で7.5万台生産、輸出も視野に
Geely(吉利)はベトナムのTasco社と提携し、ベトナムに自動車組立工場を建設する計画を進めています。両社が締結した協定によると、このプロジェクトはベトナムのタイビン省に設立され、敷地面積は30ヘクタールで、第1期の年間生産能力は7.5万台を見込んでいます。初期段階では、主にLynk&CoとGeelyブランドの自動車を組み立て、将来的には傘下の他ブランドの車種にも対応する可能性があります。この工場はベトナム国内市場向けだけでなく、ベトナムと自由貿易協定を締結している国々への輸出も視野に入れています。
今回の提携によるプロジェクトの総投資額は約1億6800万ドルで、Tascoが64%、Geelyが36%を出資します。この工場は2025年上半期に着工予定で、2026年初頭に最初の車種が納入される見込みです。また、Tascoの子会社であるTasco Autoは、Geelyのベトナムでのディーラーとして、現地での市場拡大を推進していく予定です。
さらに、GeelyとTascoは、ベトナムのタイビン省経済区管理委員会と戦略的提携協定を締結し、3者は協力してさらなる投資誘致を目指します。現地の自動車部品サプライチェーンの改善、自動車研究開発センターや自動車技術研修大学の設立、そしてタイビン省におけるスマートフォンと車載システムのコネクテッド機能を実現するためのスマートフォン生産施設の建設に投資する計画です。
注目すべき点として、これまでにもCheryやBYDなど、複数の中国自動車メーカーがベトナムへの投資を強化してきました。これらの海外展開計画は、欧米諸国が中国製電気自動車に課した追加関税への対応策の一環です。租税回避のため、多くの中国自動車メーカーは海外に組立工場を設立することを選んでいます。
一方、中国政府はこれらの企業に対して、重要な電気自動車技術を国内に留め、国家の技術的優位性を守るよう求めています。また、ロシア、インド、トルコなど特定市場への投資に関しては、事前に報告し、国の戦略計画に沿った形で進めることが義務付けられています。これにより、中国自動車メーカーの海外進出が消極的になる可能性も考えられます。