新興メーカーの極越汽車、資金繰り悪化で大規模リストラ!Baiduが撤退、Geelyも支援縮小か?

近日、極越汽車は資金繰りの悪化により大規模なリストラが発生し、業務がほぼ停止状態となったとのニュースが業界内で衝撃を与えました。12月12日、極越汽車のCEOである夏一平氏が上海オフィスで社員に取り囲まれる動画がネット上に流出しました。一部のメディアが確認したところ、事実であり、すでに警察が現場に到着し秩序を維持しているとのことです。

極越内部関係者によると、今回のリストラで同社の研究開発部門は全廃される予定です。現在、正社員および外部委託を含め同社の従業員数は5000人を超えていますが、そのうちアフターサービス部門には300人以上が所属しており、現時点での通知では80人のみが残ることになるとされています。この計算によれば、アフターサービス部門の約4分の1の従業員しか退職を免れないことになります。

内部の従業員によれば、極越は以前から複数の支払いを滞納しており、11月および12月の社会保険料の支払いも停止しており、社員が立て替える状況に追い込まれています。一部の従業員には、2つの選択肢が提示されました:1つは、退職に同意し、来年2月に「N+1」(注)補償を受け取ること、もう1つは職場に残るものの「無給・無保険」という困難な状況に直面することです。

12月12日、CEOの夏一平氏が本社に姿を現し、従業員と面会し会社の現状について説明しました。しかし、以前から彼の家族がシンガポールに移住したという噂が広まっていたため、「逃亡を防ぐ」として怒りをあらわにする従業員が「パスポートを置いていけ!」と叫ぶ場面もありました。従業員の抗議に対し、夏一平氏は株主が補償責任を負うことを強調し、「逃げることはない」と述べましたが、具体的な対応策については人事部門と協議が必要だとしています。彼は12月中旬までに社会保険の問題解決に全力を尽くすとしましたが、会社の口座はすでに凍結されており、進展は不透明なままです。

従業員の抗議に加え、極越のサプライヤーも債務の返済を求め始めました。一部のサプライヤーは、36万元の宣伝費用が未払いであり、度重なる催促にも応じてもらえず、やむを得ず公開文書で請求したと暴露しました。この事実は、極越汽車の資金繰り危機が極めて深刻であることをさらに浮き彫りにしました。

極越汽車の前身である集度汽車は2021年3月に3億ドル(約20億元)の初期資金を調達しました。2022年1月には、集度汽車は4億ドル(約25億元)を超えるAラウンド資金調達を発表し、Baidu(百度)が55%、Geely(吉利)が45%の株式を保有する形で設立され、Baiduの自動車製造進出の拠点企業となりました。しかし、その後、集度汽車は追加の資金調達情報を公開していません。

これらの資金は、自動車製造業界においては焼け石に水に過ぎず、資金調達の中断が極越の運営崩壊に直接つながりました。

2022年6月、集度汽車は初のコンセプトカー「ROBO-01」を発表しました。

2023年8月、生産資格の問題から、集度汽車は「極越汽車」へと改名され、Geelyの持株比率が65%に引き上げられ、Geely傘下の自動車製造企業となりました。生産と製造はGeelyグループが担い、Baiduはスマートコックピットや自動運転、「文心一言」などのAI技術の提供を担当しました。

2023年10月末、極越汽車の初の量産車「極越01」が市場に投入されましたが、市場の反応は鈍く、販売は低迷しました。5月に初めて月間納車台数が1000台を突破し、9月には2台目の車種「極越07」が発表されました。10月には月間販売台数が3107台に達する歴史的な記録を打ち立てましたが、この勢いは続かず、11月には2485台へと再び減少しました。

現在、極越は「極越01」と「極越07」の2車種を販売しており、今年1月から11月までの累計販売台数は1.4万台を超えていますが、NIOやXpengなどの新興自動車メーカーと比較すると、販売台数には大きな差があります。

11月末時点で同社のオフライン店舗は140店舗に達し、40以上の主要都市をカバーしていますが、計画上の目標の56%しか達成できていません。

12月3日、Geelyグループ傘下のZeekr(極氪)とLynk & Co(領克)は戦略的統合を発表し、新会社「極氪科技集団」を設立しました。ZeekrとLynk & Coの2大ブランドを統合し、年間販売台数100万台を超えるグローバルハイエンドEV企業を目指しています。この統合により、同じGeely傘下の極越の立場は一層曖昧になっています。

関係者によれば、極越汽車崩壊の原因は株主の支援不足にあります。主要出資者のBaiduは、極越汽車の収益化の見通しが立たないと判断し、損失を最小限に抑えるために撤退を決定。一方、最大株主のGeelyはプラットフォームと技術を提供し、委託生産費用を収益としています。「実際、極越はすでにGeelyへの委託生産費をかなり滞納している」とも指摘されています。

突然の市場崩壊に直面しながらも、BaiduとGeelyは救済策を発表することなく、極越汽車に自力での対応を求めています。「親企業に依存しすぎた」と批判される極越汽車は、ついに2025年の目前で力尽きたのです。

極越01(右)極越07(左)

写真:極越汽車

注:「N+1」の「N」は従業員が雇用主のもとで働いた年数を表し、1年働くごとに1か月分の平均給与が補償されます。「+1」は、従業員の勤続年数が6か月を超え1年未満の場合に、追加で1か月分の給与が補償されることを指します。勤続年数が6か月未満の場合は、半月分の給与が補償されます。

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