「Lotus=蓮花」へ統一完了!中国市場でのブランド認知向上を狙うGeelyの戦略

1月2日、Geely(吉利)傘下の路特斯(ロータスLotus)はブランド名を「蓮花(ロータススポーツカー)」に正式変更したと発表しました。同社の発表によれば、5年以上にわたる法的努力の結果、2024年12月7日から、路特斯の丸型ロゴ、文字ロゴ、そして「蓮花」の中国語商標がすべてロータスグループに帰属することになりました。この変更により、ロータスグループが展開する全市場で商標の統一が実現され、「Lotus=蓮花」のブランド認知が一貫しました。

レース界の伝説、ロータスの軌跡

ロータスは1948年、コーリン・チャップマンによって設立されました。レーシングカーの設計と製造に特化し、軽量化設計と究極の運転体験で名を馳せました。F1ではこれまでに7回のコンストラクターズチャンピオン、6回のドライバーズチャンピオン、そして81回のグランプリ優勝を果たし、フェラーリ、ポルシェと並ぶ「世界三大高級スーパースポーツカーブランド」と称されています。

経営不振とブランドイメージの低迷

しかし、1990年代以降、経営不振に陥ったロータスは複数回の売却を経ました。トヨタやGMに買収された後、1996年にはマレーシアのプロトンに売却されました。

2006年、中国の青年自動車集団とロータスが合弁プロジェクトを開始し、「青年蓮花」と呼ばれるブランドが誕生しました。しかし、この取り組みは期待通りの成果を上げることができませんでした。生産された車両はプロトンが設計し、ロータスが最終調整を行ったものの、実質的には性能の低いコンパクトカーにとどまり、一部からは「模倣品」と揶揄されました。この失敗により「蓮花」のブランドイメージは中国市場で大きく傷つきました。

Geelyによるロータス再建

2017年5月24日、Geelyはグローバル展開の一環として、マレーシアのプロトンの株式49.9%とプロトン傘下のロータス株式51%を取得しました。しかし、中国市場では「青年蓮花」との商標問題により、ロータスは「蓮花」の名称を直接使用することができず、中国市場では「路特斯」という名称で展開されてきました。

Geelyはロータスの復興に多大な資金と労力を投じ、2018年には「Vision80」という10年間のブランド再建計画を発表。電動化とスマート化への全面転換を目指しました。計画の一環として、263億元が投入され、そのうち80億元は工場建設、120億元は製品と技術の研究開発、63億元はロータス・テクノロジーのグローバル本部建設に充てられました。

中国と英国の役割分担

2021年8月、ロータス・テクノロジー(武汉路特斯科技有限公司)が設立され、スマートドライビング、スマートコクピット、スマート製造などの分野に注力し、グローバル市場向けの超高級電動スマートカーを開発することを表明しました。

英国本部はスポーツカーの設計・生産を担当し、中国の武漢本部は高級スマート電動生活用車両の生産を担当。年間生産目標は15万台と設定されました。

2024年の販売実績と課題

2024年第3四半期の報告によると、ロータスは1~9月に7,617台を販売し、修正後の年間目標(12,000台)の63.5%にとどまりました。当初の目標である26,000台からは大幅に引き下げられましたが、依然として目標達成には至っていません。地域別では、欧州市場が35%を占め最大の貢献者となり、中国市場の販売台数は1,880台(全体の25%)にとどまり、前年同期比で減少しました。

今回のブランド名変更は、中国市場で記憶しやすい「蓮花」という名称を採用することで、販売台数の向上を図る狙いがありますが、競争の激しい中国国内市場では、ブランド名の変更だけでマーケティング効果が顕著に表れるかは未知数です。

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