VW、新販売方式が奏功?IDシリーズの7月の販売台数は5000台超え
中国で発売されて4カ月が経過したフォルクスワーゲン(以下は「VW」)IDシリーズの電気自動車は、7月に販売台数が大幅に増加した。合弁メーカーの上汽VWのIDシリーズ(ID4.X、ID6.X)の7月の小売販売台数が3000台を突破し、前月比で倍増した。これと同時に、もう一つの合弁メーカーの一汽VWのIDシリーズ(ID.4CROZZ、ID.6CROZZ)の7月の販売台数は2500台を超え、前月比で同様に倍増した。両合弁メーカーIDシリーズの販売台数を合わせると、単月に5000台を超えた。
VWが巨額を投じて開発したEVプラットフォームMEBは、過去3年間、市場から広く注目されている。同プラットフォームをベースにしたVW ID.3は、2020年に欧州市場で発売され、数四半期連続でテスラのModel 3を破り、欧州市場での販売トップとなった。
VWは半年間にわたって中国市場でIDシリーズの宣伝に力を入れてきたにもかかわらず、欧州市場のような反響は得られなかった。
7月29日、VWグループのHerbert Diess CEOは、「VWは中国での電気自動車の販売方法を変えなければならない」と語った。
メディアの調べによると、上汽VWは全国1000店舗の販売店の中から、IDシリーズを取り扱う575の優良店舗を選んだ。販売はこれまでのディーラー方式から代理方式に転換した。つまりディーラーはまず在庫を作ってから車を売るのではなく、上汽VWの統一的な指示に基づき、各都市の商圏にID Store(商圏店)を展開し、体験や試乗サービスを提供し、若いユーザーや女性ユーザーのニーズに対応する。
上汽VWのID Storeはこれまで約30店を建設しており、年内に40店を超える見通しである。その基本戦略は、テスラ、NIO、理想、小鵬の直営店が出店するところに、上汽VWのID STOREを出店するというものである。
この方式により、販売店の資産負担が軽減されるだけでなく、上汽VWが製品の統一価格を維持できるようになる。これと同時に、上汽VWは新たな専属チーム(SVI)を設立する計画である。現在は30以上の都市にシティマネージャーを派遣し、各商圏店の店頭建設や運営、サービス基準を指導している。
簡単に言えば、VWの中国での電気自動車販売方式の改革が目指しているのは、上汽VWがブランド、価格設定、物流、在庫、納車を担当し、ディーラーの商圏店が接客、体験、サービスを担当するという、ビジネスモデルである。一方、シティマネージャーは、双方の強力な絆として、ディーラーがいる都市に駐在し、ユーザーを分析し、メーカーとディーラーのコミュニティをサポートしている。