テスラFSD、中国での年末承認の可能性は?
7月24日、テスラのFSDの中国進出に関する新しい情報が報じられました。23日夜の決算電話会見で、イーロン・マスク氏は、FSDが今年末までに中国の管理当局から承認を得る見込みだと述べました。この発言によって、テスラの全自動運転システム(FSD)の中国市場での承認プロセスが再び注目されています。
テスラのFSDはニューラルネットワークと人工知能アルゴリズムに基づいており、大量のトレーニングを通じて人間の運転を模倣し、適切な意思決定と操作を行います。これには、カメラで収集したリアルタイムの道路状況データが必要です。一方で、中国の測量・製図監督管理の規制やロードテスト、データのコンプライアンスといった問題があり、テスラFSDの中国市場での展開は遅れていました。
FSDの中国での承認プロセスは簡単ではありません。テスラは測量・製図データのセキュリティ、ロードテストの基準、データ処理のコンプライアンスなど、さまざまな規制をクリアする必要があります。業界関係者は、FSDの中国進出は複雑であり、慎重な対応が求められるとしています。ある機関では、コンプライアンス作業には少なくとも2年かかると見積もっています。
テスラが中国市場に進出する際には、「ナビゲーション電子地図制作・測量・製図資格」を持つ地図プロバイダーと提携することで、データ収集のコンプライアンスを確保する方法があります。まずテスラがデータを収集し、その後、地図プロバイダーや自社チームがデータからナンバープレートやユーザー関連データ、国家安全関連データを除去し、最終的にデータをテスラのデータセンターに送信します。現在、百度がテスラの指定地図プロバイダーになったと報じられており、テスラは百度地図が提供する高度運転支援地図(略称「高輔地図」)を使用することが予想されていますが、FSDでの使用が確定したわけではありません。
また、FSDの価格は中国市場で6.4万元と設定されています。この価格は一部の人々に驚きを与えていますが、正式に国内で発売された後に調整される可能性もあります。
2023年6月には、テスラが上海にFSD用のスーパーコンピューティングセンターを建設するというニュースがありました。今年6月にはテスラが上海臨港新エリアでFSDの試行を行い、10台のテスラ車両がロードテストに参加しているという噂もありましたが、その後の確認はされていません。
総じて、テスラのFSDが中国で展開されるには多くの挑戦と機会が絡んでいます。マスク氏はFSDが年末までに中国で承認される可能性について楽観的な見方を示していますが、遅れて2025年までかかる可能性もあると認めています。