トヨタ、上海に独資工場を設立しレクサスのハイエンド電気自動車を生産へ
トヨタが上海に独資工場を設立し、レクサスのハイエンド電気自動車を生産する計画だと伝えられました。一部メディアによると、トヨタは、テスラと同様の待遇を受けるために、税控除や政策支援、土地補助などを求めて上海当局と協議中です。
ブルームバーグの報道によると、トヨタはレクサスブランドの電気自動車を生産するため、100%単独出資の工場を上海に設立したいと考えています。これは、本土の合弁パートナーを受け入れず、工場を完全に自社で管理するための措置です。トヨタの最高経営責任者(CEO)である佐藤恒治氏は、昨年4月の就任後、「EVファースト」戦略を採用し、2026年までに年間150万台、2030年までに年間350万台のEV販売を目指しています。
一方で、トヨタが中国でレクサスの国産化を積極的に推進しているものの、国産化だけがすべての解答ではないと指摘するメディアもあります。トヨタは中国市場で激しい競争に直面し、特にファーウェイやシャオミなどの新興プレーヤーとの競争が激化しています。
トヨタは上海に独資工場を設立することで、テスラの中国モデルにならい、税制優遇や上海地方政府からの支援、土地優遇を得ることを目指しています。ただし、この計画には政府の更なる承認が必要であり、今後も多くの不確実性が残されています。
近年、中国市場でのレクサスのパフォーマンスは比較的安定していますが、成長率は鈍化しています。2023年、レクサスの中国販売台数は前年比3%増の18.14万台でしたが、2021年の22.7万台からの減少傾向が見られます。レクサスは北米、日本、欧州、東南アジアなどの他の市場では順調ですが、中国市場では課題に直面しています。
トヨタは2035年までにレクサスを欧州、北米、中国市場で完全にEV化すると表明していますが、現在のレクサスの電動化の進展は他の高級ブランドや中国の新興勢力に比べて遅れており、競争力が不足しているとの批判もあります。