海外メディアの報道によれば、中国市場でのフォルクスワーゲン（VW）の「ID.シリーズ」電気自動車の業績が予想を下回ったことや、ガソリン車の販売台数が減少していることから、VWは中国地区の責任者を交代させ、現在のCEOであるステファン・ワレンシュタイン氏（中国名：馮思翰）が来年2月初めに退任すると発表しました。

VWの中国での販売台数は今年1月から10月までに約8%減少しました。高級ブランドであるアウディ、ポルシェ、ベントレーなどは前年比成長を維持していますが、VWの主要ブランドは販売が落ち込んでいます。特に、VWの合弁会社である一汽VWと上汽VWは他の合弁ブランドよりも販売台数の減少が大きいです。

VWの販売減少は車載チップの供給不足だけでなく、影響しています。2020年、VWの中国での販売は前年比9.1%減の385万台でしたが、この間トヨタは販売を10.9%増やしました。2019年にはVWの販売台数は423.4万台に達し、これは同社の中国での最高記録です。今年の上半期、VWは前年比16.2%増の185万台を販売しましたが、2019年と比べるとまだ差があります。

VWの不振の主な原因は、一部の主力車種の販売減少にあります。例えば、Magotanは今年4月以降、乗用車の販売ランキングの上位15位から外れています。過去には月間販売が2万台を超えていましたが、今年9月には5000台を下回りました。また、Passatも販売台数が減少しましたが、新型Passatの発売後、販売が回復しています。

シュコダブランドもVWにとって課題です。シュコダの中国での販売は3年連続で大幅に減少し、2017年の34.1万台から2020年には半分以下に減少しました。今年の1-3四半期、シュコダの販売は5.3万台に減少しました。

また、VWは電気自動車分野でも車載チップの供給不足に直面しています。ID.シリーズの在庫は極めて少なく、在庫があれば12月第2週までに完売する見込みです。現在、一汽VWのID.ファミリーの代理店は737店舗あり、これにより消費者との直接的なコミュニケーションが可能となっています。

ステファン・ワレンシュタイン氏は、代理店制度が価格の安定と販売店の利益率向上に寄与していると述べ、今後ガソリン車の販売にも同様の制度を導入することを検討しています。ID.シリーズの今年の中国市場での販売目標は8-10万台であり、車載チップ供給の影響が解消されれば、11月と12月に月間販売2万台に達し、年間目標の8万台を達成できるとしています。