ヤディア電動二輪車、2025年に日本市場本格進出!ホンダやヤマハに挑戦、ベトナムでの成果を再現できるか?
中国の電動二輪車大手であるヤディア(YADEA)が、本格的に日本市場に進出し、競争力のある価格と技術を武器に、ホンダ、ヤマハ、スズキなど日本の二輪車メーカーに挑戦する計画が報じられました。
日本の法規制により、中国製の電動二輪車はこれまで日本市場に参入するのが難しかったものの、過去2年間でヤディアは日本に数多くの店舗をオープンし、電動キックボードや電動アシスト自転車を試験的に販売してきました。そして、2025年夏には電動二輪車(電動スクーター)を本格的に導入する予定です。
ヤディアは2001年に設立され、中国の電動二輪車市場でトップメーカーの一つです。大量生産により、中国市場で約70%のシェアを占め、単車のコストを非常に競争力のある水準に引き下げることに成功しています。技術面では、動力電池とスマート技術の研究開発に強みを持ち、中国市場では年間465万台を販売しています。
ヤディアの製品はコストパフォーマンスに優れており、日本に投入予定の電動二輪車の販売価格は約10万円(約4950元)で、ホンダの同クラスの製品より約60%安いと予想されています。2025年夏には、「モダン」と「K2」という2つの新モデルを日本で正式に発売する予定です。
ヤディアは中国市場だけでなく、ベトナム市場でも大きな成功を収めています。2019年にベトナムに生産拠点を設立して以来、ベトナムはヤディアにとって重要な海外市場の一つとなっています。長年、日本ブランドが支配していたベトナムのバイク市場ですが、近年の低炭素政策や充電インフラの整備により、電動二輪車が交通手段の一つとして台頭しつつあります。ベトナム政府は、2030年以降、一部地域でバイクの使用を制限または禁止する「バイク禁止令」を発表しています。
ヤディアは今年、ベトナムに2つ目の工場を建設しました。投資額は1億ドルで、年間生産能力は1つ目の工場の4倍にあたる200万台に達する見込みです。この新工場ではベトナム向けの製品だけでなく、フィリピン、タイ、マレーシア、ラオスなど東南アジア諸国への輸出も行われる予定です。
ヤディアの東南アジアでの市場シェアは着実に伸びており、2022年にはベトナム、フィリピン、インドネシアなどの市場で10%以上のシェアを獲得しています。
ヤディアの海外進出の背景には、中国市場の飽和と過剰な生産能力、そして海外市場での成長を目指す企業の野心があります。ベトナム市場では、コストパフォーマンスに優れたヤディアが、日本ブランドの支配的地位に挑戦しています。
日本市場では法規制や中国製品に対する消費者の懸念が依然として課題ですが、ヤディアは2030年までに日本で年間1万台の二輪車販売を目指しています。もしベトナムでの成果が日本市場でも再現できれば、ホンダなど日本のメーカーにとって大きな挑戦となり、日本の二輪車市場の競争環境を変える可能性があります。