2023年、中国の自動車輸出が日本を追い抜く見通し

中国の自動車輸出は2023年に日本を抜き、初めて世界最大の自動車輸出国になる見通しです。日本自動車工業会(JAMA)が12月28日に発表した1~11月の輸出台数は399万台。これに対し、中国汽車工業協会(CAAM)の統計によると、1~11月の中国の自動車輸出台数は441.2万台に達しました。

ガソリン車は依然として中国の自動車輸出の主力となっています。中国汽車工業協会の統計によると、1~11月の従来型ガソリン車の輸出は前年同期比51.5%増の332万台で輸出全体の7割を占めています。

ガソリン車の輸出が拡大している主な理由は、地政学的な影響により、西側諸国の自動車メーカーがロシアからの撤退を受け、急速に中国の自動車メーカーがその市場の空白を埋めているからです。今年1~10月の中国の自動車輸出はロシアで736,000台に達し、ロシアは中国の最大の海外自動車市場となっています。

一方で、中国の新エネルギー車輸出の勢いが増しています。1~11月の新エネルギー車の輸出は前年同期比83.5%増の109.1万台でした。特に中国の新エネルギー車はコストの優位性があり、BYDの電動SUV「ATTO3(元PLUS)」は欧州市場で消費者の注目を集めています。同車の販売価格は3.8万ユーロで、現地の電動車の平均価格5~6万ユーロを大きく下回っています。

予測によると、2023年第4四半期、BYDのEV販売台数はテスラを抜いて世界1位になる見込みです。データによると、今年第3四半期、比亜迪のEV販売台数はテスラよりわずか3000台少ないとされています。

ただし、中国の急成長する新エネルギー車の輸出は、欧米で警戒感を呼んでいます。現在、フランスとイタリアは中国製を含むアジアの電気自動車に対する購入補助金を制限していますが、ドイツは12月に電気自動車の購入補助金の支給を突然中止しており、中国の低価格製品が現地市場で急拡大していることへの反応とみられています。

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