EUの相殺関税で中国製EVが前月比45%急減、BYDは逆風を乗り越えシェア拡大
EUは今年7月5日から中国製電気自動車に最大37.6%の相殺関税を導入し、8月20日にその関税率を36.3%に確定しました。この措置が中国製電気自動車のEU市場でのパフォーマンスにどのような影響を与えるか、各界の注目を集めています。
市場調査会社Dataforceが最近発表した初期データによると、7月の中国製電気自動車のEU加盟16カ国での登録件数は前月比で45%急減しました。具体的には、上海汽車集団傘下のMGブランドの7月の販売台数は前年同月比で20%減少しました。また、ポールスター(Polestar)は前年同月比42%の大幅な減少に直面しました。
Dataforceは、この結果を受けて、関税が効果を発揮し始めたと結論づけました。一部のメディアもこのニュースを報じ、Dataforceの見解に同調しています。
45%の減少率は、DataforceがEU16カ国のデータを基に計算したものです。このデータは全体を網羅しているわけではありませんが、主要な市場が含まれているため、結論に大きな修正が加わる可能性は低いと考えられます。
ただし、追加された36.3%の特別関税が期待された効果を発揮したかどうかは、7月の結果だけでは判断できません。というのも、7月の急激な落ち込みは、6月の異常に好調だった販売の反動によるものと考えられるからです。多くのメーカーが、6月中に10%の輸入関税で中国製電気自動車を輸入しようとしていたことが明らかになっています。
しかし、中国で最も売れている新エネルギー車ブランドのBYDは、関税の影響を乗り越え、7月のEU電気自動車市場でのシェアを年初の7.4%から8.5%に拡大し、高関税の影響をほとんど受けませんでした。BYDはテスラの世界的な競争相手となり、2023年の最終四半期にはテスラを抜いて世界最大の電気自動車販売会社となりました。BYDは他の中国製電気自動車メーカーと比べてEUでの関税率が最も低く、今後、欧州でさらに急速に成長する可能性があります。