新エネ車の値上げは消費者の駆け込み需要を刺激

経済誌の「第一財経」のまとめによると、2022年1月と3月、中国の新エネ自動車市場はそれぞれ2回の値上げラッシュを迎えたが、1月の値上げは、補助金後退分の車両販売価格へ上乗せに過ぎなかった。一方、3月の値上げラッシュは、ほとんどの自動車メーカーがサプライチェーンのコスト上昇によるものとして値上げの理由に挙げている。

2022年1月以降、20社以上の自動車メーカーが50種類以上の車種の公式指導価格を引き上げた。中には、BYD、広汽AION、テスラ、理想、Xpengなどのトップメーカーのほか、Weltmerster、LeapMotorなどの二流メーカーが含まれている。

予想外のことに、値上げは消費者に新エネ車の購入意欲を押し下げたどころか、逆に駆け込み需要を引き起こしている。

あるXpengの販売マネージャーは、「Xpengは3月18日に4日後の21日から値上げると発表した。4日間で100台近くの注文を受け、20日には過去の月間販売台数記録を更新した」と語った。Xpengだけははなく、NETAやBYDなどのディーラーも3月の注文が過去最高を記録したと明らかにした。

「テスラは直近の10日間で3回値上げたのは、大きな刺激となった。消費者の間では新エネ車がさらに値上げを続けるのではないかとの懸念が広がっている」と、あるベンチャー系自動車新勢力のマーケティング責任者が指摘した。

ガソリン車の使用コストはここ数カ月で急速に上昇しているのも新エネ車注文増の背景の一つとなっている。

第一財経の記者はこれまで複数の新エネ車ディーラーを訪ねた際、新エネ車を選んだユーザーの大半は、「ガソリン車の使用コストが高くなっていることが、新エネ車を選んだ重要な理由である」との説明を聞かされた。

2021年早々、国内ガソリン価格は上昇基調にあり、2022年3月には原油価格は約10年ぶりの最高値を更新した。使用コストが日増しに上昇しているガソリン車と比べ、新エネ車は充電コストが安いだけでなく、購入税の免除や走行規制なしなどの政策的恩恵を受けることができる。

「ガソリン価格の9元超えに伴い、消費者の心理に変化が見られ、新エネ車の値上げが続くと懸念されている。そのため、新エネ車の価格が上昇すればするほど、消費者が焦って購入意向は高まる」と前出のマーケティング責任者は語った。

 

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