スマホ大手のシャオミ、新エネ車産業参入へ
スマホ大手のXiaomiグループ(以下は「シャオミ」)は3月30日、香港証券取引所で、取締役会がスマート電気自動車業務の立案を正式に承認し、完全子会社を設立し、スマートEV業務を担当すると発表した、第1期の投資額は100億元で、今後10年間の投資額は100億米ドルの見込み。グループ最高経営責任者の雷軍氏はスマートEV事業の最高経営責任者を兼務する。
シャオミの自動車製造業務に関するその他の詳細はまだ明らかにしていないが、これで雷軍氏の口にした謎の「100億ドルの特大プロジェクト」に決着がついた。
雷軍氏は2013年に2度も米国に渡ってテスタのマスク氏を訪問したことがある。シリコンバレーの大物たちが集まってビジネスの話をするのとは違って、雷氏は、新たな道を切り開き、100年の自動車業界を転覆させようとするテスラに強い関心を持っている。彼はなぜテスラが1年間で30億ドルの時価総額を200億ドル以上にすることができたのか不思議に思っただけでなく、まだ中国に進出していないテスラを試乗して、テスラの知能化の高さに驚かされた。
試乗が終わると、雷軍氏はすぐにテスラを2台予約した。1台は自分のため、もう1台は投資に参加したUCの兪永福CEOに渡した。2014年から、当時は車作りの条件を備えていなかった雷軍氏は、中国国内で盛んになったEVベンチャーへの投資を選択し、同社傘下のShunwei Capital(順為資本)を通じてNIOと小鵬汽車に相次いで投資した。
このほか、シャオミは自動車分野でも布石を打っている。Xiaomiが公開した特許情報によると、2014年から小米はスマートカー、スマートコックピットなどの分野で活動している。雷氏は、「電気自動車業界にとって、シャオミは新米であり、何の経験もないが、われわれには飢えたような学習能力と優秀なエンジニアがいる。より多くの時間と資金を投入したい」と語った。
報道によると、現在、シャオミの自動車製造チームは独立してオフィスを運営しており、人工知能部門の管理者を含む複数のシャオミ内部チームが自動車製造業務に統合されている。
シャオミのスマホ業務を立ち上げた際、雷軍氏は「風が吹くところに立てば豚も飛べる」という名言を残していた。しかし、車を作ることは思ったほど簡単ではなかったようで、勝手に飛ぶ豚もいなかった。
雷氏は、「自働車業界のリスクをよく知っており、ともすれば百億以上の投資を行うことになり、少なくとも3、5年は効果を得ることができない」と率直に語った。これはシャオミにとって小さなリスクではないが、創業10年のシャオミはすでに一定の蓄積を持っている。
EVは、従来の内燃機関に比べて参入ハードルが低い。しかし、自動車製造は結局家電製品とは異なり、難易度も関連する産業チェーンも同レベルではない。これまでシャオミが蓄積してきた経験を自動車産業に再現できるかどうかは、より詳細な製品計画が登場するまで判断するのは難しい。