工業情報化部、動力電池のカーボンフットプリント申告を開始――算定方法を統一し、国際ルールへの備えを進める

12月31日、中国工业和信息化部は「自動車用動力電池のカーボンフットプリント(CFP)申告に関する通知」を公表し、中国全土で自動車用動力電池のカーボンフットプリント申告制度を開始することを明らかにしました。

今回の通知の狙いは非常にシンプルです。動力電池の炭素排出量を「どのように算定するのか」という方法をまず統一し、その上で将来の制度運用や国際的なルールとの接続に備える、という点にあります。

申告の対象も明確に定められています。中国国内で販売される、定格エネルギーが2kWhを超える自動車用動力電池製品は、すべて申告の対象となります。申告の責任主体は動力電池パックの生産企業で、具体的には電池パックメーカー、輸入事業者、自ら電池パックを組み立てる完成車メーカーが含まれます。要するに、電池パックを市場に出す企業が申告責任を負うという考え方です。ただし、実際の算定に必要なデータは、原材料や部品、物流、リサイクルなど、サプライチェーン全体から提供されることが前提とされています。

申告内容もポイントは絞られています。動力電池のカーボンフットプリントは、原材料の調達、電池の製造、輸送、回収・再利用という4つの段階で発生する炭素排出量を合算し、それを電池がライフサイクル全体で供給できる総エネルギー量で割ることで算出されます。企業は実際の電力使用量や材料使用量など、事実に基づくデータを入力し、排出係数や背景データについては業界共通のデータベースが用いられる仕組みとなっており、企業ごとに算定方法がばらつくことを防ぎます。

制度の進め方については段階的なアプローチが採られています。現在から2026年末までは試行期間とされ、この期間中に企業は少なくとも5種類の代表的な電池パック製品について申告を行い、第三者機関による検証を受ける必要があります。2027年以降は常態化段階に移行し、対象となる電池パック製品は原則として継続的にカーボンフットプリントの算定と検証を行うことになります。

全体として見ると、現時点ではこの制度が市場参入や補助金、罰則と直接結びつくものではありません。主眼はあくまで、共通の算定ルールとデータ基盤を整えることにあります。企業にとっては、経営を直ちに縛る規制というより、将来の国際ルールを見据えた事前準備に近い位置づけと言えます。

背景として、動力電池は新エネルギー車のコア部品であり、国際的にも製品カーボンフットプリント規制が最も集中している分野の一つです。各国が炭素排出に関わる貿易・規制ルールを次々と打ち出す中で、明確で検証可能な算定体系を持たなければ、中国の動力電池産業は輸出や国際協力で不利な立場に置かれかねません。そのため工信部は、動力電池を起点として製品単位のカーボンフットプリント管理に踏み出しました。

工業情報化部装備工業一司の担当者も、世界的にグリーン貿易の障壁が強まる中、重点製品についてカーボンフットプリント管理体制を整備することは避けて通れないとの認識を示しています。

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