電気自動車の航続距離、夏場でも大幅に短縮
新エネ車ユーザーにとって、冬は「地獄」であることが知られているが、実は夏も「地獄」である。夏が来て、冬の航続距離の不安を経験した新エネ車ユーザーは同じ悩みを抱え始めている。
最近猛暑が続いており、新エネ車ユーザーが車の屋根(ルーフ)に水をかけて冷やしたり、日焼けを避けるために車内で日傘を差したりしている写真や動画の投稿が増えて、話題になっている。
電気自動車の多くには、広いガラスサンルーフが搭載されている。サンルーフは赤外線をある程度遮断するが、熱を効果的に防ぐことはできない。
最近自動車情報メディアの「懂車帝」が発表した2022年夏の新エネ車テスト結果によると、新エネ車41車種(電気自動車31車種とレンジエクステンダー付きを含むプラグインハイブリッド車10車種)は、屋外駐車後、室内温度が50℃を超えるかそれに近くなり、エアコンをオンにして、冷房性能と航続距離を検証した。
エアコンのテスト結果を総合すると、合弁ブランドは冷房効果が優れていることと、プラグインハイブリッド車のエアコンは問題が発生しやすいことがわかった。一部の車種では異常が発生している。BYD元PLUS EVでは高温下でシステムがダウンになり、ワイパーとウィンカーが機能しなくなった不具合が生じた。また、ハイエンドEVブランドの高合Hiphi Xでは日焼け後にワイヤレス充電パネルの表面が膨らんだり、理想ONEやBYD宋PLUS DM-iなどは、空調出力が暴走したため、低電力状態に落ちたりした問題が発生した。
電気自動車の航続距離は、50℃に近い高温条件下ではかなり短縮する。一部の車種では航続距離が半減している。今回高温下でテストされた純電気自動車のうち、BMW IX3とBMW IXはいずれも航続距離保持率が80%以上で上位を占め、次いでベンツEQCや地場メーカー奇瑞のeQ1等を含めて、航続距離保持率が70%と悪くない成績である。それ以外の車種はいずれも70%を下回っている。そのうち、BYD漢EV、フォルクスワーゲンID.4XとID.3、長城ORAグッドキャットの4車種が60%以下で、うち最後の2車種はそれぞれ53.8%と50.9%とほぼ航続距離が半減となった。
今回のテストで明らかになったのは、夏場の高温環境下では、純電気自動車の航続距離保持率は平均66%で、通常より電力消費量が8.6%増えたことである。ちなみに過去のテスト結果によると、新エネ車の平均航続距離保持率は74%で、冬季の厳寒条件下では47%に下がることもある。