新エネルギー車専用保険発表、費用増で物議を醸す
自動車情報サイトの「電動邦」は、最近発表された新エネルギー車専用保険は費用増で物議を呼んだと報じた。
2021年、中国の新エネルギー自動車市場は大幅に拡大したが、それに伴いいろいろな問題が明らかになり、保険料の上昇がその一つである。
中国保険業界協会は12月14日、「新エネルギー自動車商業保険専属条項(試行)」(以下は「条項」)を発表し、保険責任について、条項は、電池、電機、電子制御等のコア部品(いわゆる「三電」)にも保障を提供し、走行のほか、駐車、充電などの停止状態も保障の対象に含まれるとした。
また条項は、新エネルギー車損失保険責任範囲には、不慮の事故(発火・燃焼を含む)によるバッテリーとエネルギー貯蔵システム、モーターと駆動システム、その他の制御システムの損失が含まれることを明確にした。
付加保険を見ると、今回の条項には13の付加保険が設けられている。ガソリン車の保険によくある擦り傷保険や免責などのほか、外部電力ネットワークや自家用充電ポールなど、新エネルギー車特有の「付帯施設」を対象とする保障項目が追加されている。
上海保険取引所は12月27日、新エネルギー自動車保険取引プラットフォームをオーブンし、12社が新エネルギー自動車専用保険商品をラインアップした。
「新エネルギー自動車商業保険専属条項(試行)」の実行により、電池、電機、電子制御等のコア部品や発火などについて明確な規定が設けられ、新エネルギー車ユーザーの懸念を払しょくすると同時に、保険会社の権利と義務もより明確にされた。
他方、ガソリン車の保険と比べて、保険料が大幅に増えて、ユーザーの不満を招いている。ある新エネルギー車ユーザーは、12月23日にかけた保険料は8,278元だったのに対して、27日以降保険料は1.4万元以上に急騰し、上げ幅は80%に達したと不満を漏らして大きな反響を呼んだ。なぜなら、保険料の増加分の6,000元は、毎月500元と計算すると、1,000キロ近く走行するガソリン代に相当するためである。つまり「新エネルギー車で節約したガソリン代は、すべて保険料に変わってしまう」可能性があるということである。
もちろん保険料は車両価格、保険利用状況、違反回数などと関係しており、一概には言えない。ガソリン車に比べて同クラスの新エネルギー車の保険料が増加していることが新エネルギー車市場にとって下押し要因になりかねない。