新エネルギー車の課題:充電料金の上昇が利用者の懸念を引き起こす

従来のガソリン車に比べて、新エネルギー車(EVなど)の最大の利点は、車両の使用コストが低いことです。ただし、最近、全国的に充電料金の急激な上昇が報告されています。

上海のある急速充電ステーションでは、過去に1.15元だった充電価格が、現在は2.15元に上昇し、87%も値上がりしています。同様に、河南省の鄭州市では、7月初めの充電料金の谷の時間帯の平均価格が1度あたり約0.51元だったのに対し、現在は0.78元で、50%以上も上昇しています。

この上昇の原因はいくつか考えられます。まず、夏の到来に伴い電力使用量が増加していることや、大型充電ステーションの電力が産業用に転用されていることが挙げられます。これにより、充電ステーションの運営が難しくなり、値上げを余儀なくされているとみられています。

国家発展改革委員会(発改委)は新しい電気料金基準を発表し、商工業用電力料金を順次上げることを決定しました。新エネルギー車の充電ステーションも商工業用に該当するため、全国的な充電料金の上昇は避けられない状況です。

また、長期的な低価格競争による損失や、夏場の高い電力損失、賃貸料の増加などが、ステーションの経営に影響を与えています。一部の企業は国の補助金を受け取ったことで、最低5年間の運営が義務付けられているため、苦境に立たされています。

充電価格には電気料金の他にサービス料が含まれることが注目されています。商工業用電気料金の上昇は国の規制によって制限されていますが、サービス料は運営業者が自由に決めることができるため、充電ステーションによって異なります。一部のメディアが調査したある充電ステーションでは、ピーク時の充電価格が1度あたり1.95元で、そのうち電気料金が1.55元であり、サービス料が0.4元となっています。別の充電ステーションでは、サービス料が0.06元とかなり低いです。

ユーザーにとって、新エネルギー車を選ぶ大きな理由は経済性ですが、現在充電料金の上昇が起きているため、多くのユーザーが新エネルギー車に買い替えを検討する際に様子見をしている状況です。充電料金が大幅に上昇すると、新エネルギー車を選ぶメリットがなくなってしまいます。

現在でも新エネルギー車はガソリン車に比べて使用コストがまだ優位です。例えば、100キロの消費電力が15kWhで、電力価格が1kWhあたり2.15元とすると、新エネルギー車の1キロ当たりのコストは約0.32元となりますが、ガソリン車の1キロ当たりの燃費は0.5元以上となります。ただし、両者の差は実は縮まりつつあります。

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