小型EVの安全性評価基準強化、低価格で勝負する時代が終焉を迎える
小型EV市場の参入ハードつが低く、最近多くのメーカーは小型EVを投入し、小型EVの市場を拡大させたと同時に、大小さまざまなブランドが乱立している。乗連会のセグメント別販売データによると、2022年3月のA00とA0クラスの小型EVの販売台数(卸売ベース)は、それぞれ11.9万台と5.5万台で、EV全体の47%を占めている。
価格が安いため、多くのユーザーは小型EVを選択している。台数の増加につれて、小型EVを巻き込んだ交通事故なども増え、普通の車よりも大きなダメージを受けやすい小型EVの安全性が懸念されている。
最近開催された自動車アセスメント国際サミットおよびC-NCAP年次総会で4月8日、中国汽車技術研究中心(CATARC)は「小型電気自動車特別評価規程」を発表した。今年7月に施行される予定だという。
同規程は主に車体の長さが4メートル以下のA00-A0クラスの小型EVを対象としている。具体的な評価項目は、衝突安全、使用安全、航続時間充電の3つに分かれている。
衝突安全では、主に車両が衝突事故を起こす過程において、車体構造及び座席、シートベルト、エアバッグ/エアカーテンなどの内部乗員に対する保護効果を評価し、主に正面衝突、側面衝突、鞭打ち試験の3つの小項目を評価する。
使用安全では、主にユーザーの日常的な車の使用過程の安全問題に関連しており、例えば充電安全、制動性能、電磁妨害、水回り関連の電池の安全及び人体電磁防護などの多くの小項目が含まれている。
航続時間・充電については、主にユーザーの使用上の問題点を評価し、内容は常温航続時間、低温航続時間、低温充電、充電互換性の4項目を含む。
3つの評価項目をクリアするためには、設計段階から車体構造、車体材料、バッテリーなどの見直しが必要となり、小型EVのコスト増が避けられない。ある意味で規程の発表は、小型EVのトーナメントを加速させながら、小型EV市場全体の参入ハードルを上げる。
規程の発表後、製品力の高い車種を出せない多くの小型EVブランドは、市場から姿を消すだろう。他方、参入ハードルの引き上げに伴い、小型EV全体の価格水準が大きく上昇すると予想される。