米国製造業連合、バイデン政権に中国製の低価格自動車・部品のメキシコからの輸入制限を求める
米国製造業連合(Alliance for American Manufacturing)は2月23日、中国製の低コストの自動車や部品がメキシコから輸入されることを制限するよう米政府に求める報告書を発表し、これが米自動車会社の存続を危うくする可能性があると警告しました。
テスラは約1年前、メキシコ北部のヌエボ・レオン州に工場を建設する計画を発表しました。中国の地方自動車メーカーであるBYDもメキシコに電気自動車工場の建設を計画しており、これがまた新たな注目を集めています。BYDは低価格モデルと豊富な製品ラインナップで知られ、最大のライバルであるテスラを抜いて世界で最も販売台数の多い電気自動車メーカーとなっています。
米国製造業連合は、低価格の中国車が米市場に導入されることが、最終的には米自動車業界に壊滅的な打撃を与える恐れがあると主張しています。
報告書は、米国・メキシコ・カナダ貿易協定に基づき、メキシコで生産された自動車や部品は米国の優遇措置を受けており、また米国の電気自動車税控除額7500ドルを受ける資格があると指摘しています。同連合は、中国の自動車輸入に開かれた商業的な裏口を閉鎖することで、米国が大量の工場の倒産や労働者の失業を防ぐべきだと主張しています。
また、米2党の議員で構成されるグループは、バイデン政権に対し、中国製自動車への追加関税や、中国企業によるメキシコから米国への自動車輸出を阻止する方法を検討するよう求めています。
これらの動きに対して、中国駐ワシントン大使館の報道官は、「中国の自動車輸出は中国製造業の質の高い発展と強大なイノベーション能力を反映しており、世界に高性能で質の高い製品を提供している」と述べました。また、中国商務省は、「中国とメキシコの実務協力は2つの主権国家間の事柄であり、双方の企業が国際ルールと市場原則に基づいて行う正常な商業活動であり、いかなる第三者にも介入する権利はない」と米国の政策当局をけん制しています。