中国、関税対抗の一手!商務省が地場メーカーに関税支持国への投資停止を指示
ロイター通信は10月30日に独占報道を発表し、大きな関心を集めました。報道のタイトルは「独占:中国が自動車メーカーに対し、EV追加関税を支持するEU加盟国への投資を一時停止するよう要請していると情報筋が言う」とされています。
ロイターは2人の消息筋の話として、10月10日に中国商務省が会議を開き、中国の自動車メーカーや新エネルギー車メーカーに対し、追加関税を支持したEU加盟国への工場設立などの大型投資計画を一時停止するよう求めたと伝えています。会議にはBYD、Geely、SAICなどの地場自動車メーカーが参加していたものの、これらのメーカーからの公式な確認は得られていません。
また、商務省は賛成票を投じた10カ国への投資計画を停止するよう求める一方で、反対票を投じた5カ国への投資を奨励しており、棄権票を投じた12カ国には慎重な対応を求めています。
EUは今月30日から中国の電気自動車に対する追加関税を発効しましたが、これに先立つ1年間の調査中にEU内部で意見の分裂が見られました。フランス、ポーランド、イタリアなど10の加盟国は関税追加に賛成票を投じましたが、ドイツなど5カ国は反対票を投じ、12カ国が棄権しました。この投票結果は各国の立場を明確にすると同時に、中国政府が報復対象を定める材料ともなりました。
中国政府は従来から、こうした経済や貿易の対立に対して「闘争哲学」に基づく対応を取っています。いわゆる政治的な対立原理により、相手内部にある敵対的な陣営を分裂させ、重要な対抗相手を孤立させて打撃を加える方針です。
しかしながら、ヨーロッパ側はこの報復措置を民主主義への挑戦と見なすでしょう。関税賛成票を投じた国々を狙った報復は、反対票を投じた国々にも悪影響を与えかねません。民主主義制度では多様な意見が認められており、一つの選択肢だけが認められるわけではないためです。そのため、こうした分断戦略は、欧州やEU加盟国の間で大きな反発を招き、貿易摩擦を超えて政治的な対立に発展する可能性があります。中国にとって、このような戦略は成功が難しく、結果的には損失の方が大きくなるでしょう。