米デューク・エナジー社、中国CATL製電池の使用中止を計画 議会の圧力受け

ロイターは2月9日、米デューク・エナジー(Duke Energy)が、中国の大手電池供給業者CATL(寧徳時代)製のエネルギー貯蔵電池の使用中止を計画しており、これは米議会の圧力を受けての決定だと報じました。同社は、ノースカロライナ州の海兵隊基地キャンプ・ルジョンでCATLの製品を段階的に廃止する予定であり、この取り組みは米国議会の一部メンバーから歓迎されています。

デューク・エナジーは米国最大の電力会社の一つであり、昨年4月にキャンプ・ルジョンでのバッテリーシステムの運用を開始しました。このプロジェクトは規模は大きくないものの、これまでのノースカロライナ州の同種のプロジェクトの中では最大のものとなっています。デューク・エナジーは上記プロジェクトのバッテリーの供給先を明らかにしていませんが、ルジョンの公式サイトに当時掲載された写真によると、発電所にはCATLの商標が印刷されていました。

この決定は、20数名の共和党員の注目を集め、彼らは連名で米国防総省のオースティン長官に、プロジェクトの撤回とすべての軍事施設の包括的な評価を求める書簡を送りました。米海兵隊上層部がこのプロジェクトのテープカットを行ってから1年も経たない昨年12月、デューク・エナジーはキャンプ・ルジョンでのCATLのバッテリー使用の接続を遮断したことを明らかにしました。

デューク・エナジーはこの決定が自発的なものであると強調し、米国本土のサプライチェーンを支援すると表明しました。CATLは声明で安全保障問題を否定していますが、米政府や一部議員は中国企業の安全保障問題に慎重な姿勢を示し、制限措置を取っています。米議会はデューク・エナジーやペンタゴンに対し、中国企業製電池の調達を禁止する法案を可決しました。この法案に中国外交部は強い不満と断固とした反対を表明しました。

中国の電池供給業者は国際市場の課題と制限に直面していますが、米国などの国にとって、中国の電池の使用を完全に避けることは電力供給不足を招き、固定式エネルギー貯蔵システムや電気自動車の導入、脱炭素化目標の達成に影響を及ぼす可能性があります。そのため、安全保障と供給保障のバランスをいかに取るかが、現在の国際エネルギー分野における重要な課題となっています。

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