EU、中国製電気自動車に相殺関税決定:テスラは9%に引き下げ、他メーカーは最高36.3%

EUは8月20日、中国から輸入される電気自動車に対する相殺関税調査の最終決定草案を公表し、追加関税を課す方針を示しました。中国で生産される電気自動車メーカーであるテスラの関税は、当初予想されていた20.8%から9%に引き下げられました。一方、BAIC(上汽)、Geely(吉利)、BYDなどの他の中国自動車メーカーには、それぞれ36.3%、19.3%、17%の関税が課されることが決まり、これも当初発表された水準をわずかに下回る結果となっています。

欧州委員会は、これらの関税を遡及的に適用しない方針を発表し、調査対象外の一部企業には21.3%の関税が適用される一方で、協力しない企業には最高税率の36.3%が課されるとしました。これらの関税は現在の10%に追加され、10月30日から5年間適用される予定です。EUのこの動きは、中国政府による電気自動車業界への補助金に対する対応策と見られています。

EU中国商工会議所は、この決定に強い不満を表明し、中国の電気自動車の競争力は産業規模とサプライチェーンの優位性に基づいており、補助金によるものではないと指摘しました。EUの保護主義的な政策は、欧州の自動車産業の競争力を損なうだけでなく、中欧間の貿易緊張をさらに高める可能性があると懸念されています。

ドイツやハンガリーなど一部の加盟国が関税措置に反対を表明しているにもかかわらず、欧州委員会はこの決定を進めています。最終的な関税の投票結果は11月までに発表される予定で、審査結果によっては、5年後に延長される可能性もあります。

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