新エネルギー車補助金(2016—2020年度)最終審査結果:BYDは1%未満、BAICが3割超

中国工業情報化省は8月5日に、「2016—2020年度新エネルギー自動車普及応用補助資金清算最終審査および2021—2022年度補助資金前払い状況に関する公示」を発表しました。これにより、長年続いてきた新エネルギー補助金の清算作業が最終段階に入ったことになります。
今回の最終審査は、これまでの初審公示を基にした最終確認です。初審と比較すると、一部の自動車メーカーの補助金額は減額されました。主な理由は、車両情報が政策要件に合致していない、証憑が不十分である、あるいは現地確認を通過できなかったことなどです。ただし、全体としては初審結果から大きな変動はありませんでした。
最終審査の結果によれば、2016—2020年における全国累計補助金額は約16.5億元となりました。そのうち、BAIC(北汽新能源)が約5.56億元を獲得し、シェアは3割を超えて首位となりました。
地域別では、BAICの本拠地である北京市の累計補助金額が7億元を突破し、各省市の中で最多となりました。Geely(吉利)の本拠地である浙江省は約3.03億元で第2位、東風汽車の拠点である湖北省と四川省はいずれも約1.3億元で、それぞれ第3位と第4位でした。一方、貴州省は5年間で補助金を一切獲得していません。
メーカー別に見ると、BYDは5年間で合計1574万元にとどまり、全体に占める割合は1%未満でした。Chery(奇瑞)は約3466万元、Tesla(テスラ)は359万元で、BAICとの差は大きいことがわかります。
主要自動車メーカーの補助金額最終審査結果
資料:工業情報化省データをもとに作成
また、最終審査においてCheryの減額幅が最も大きく、累計で2億元を超えました。BAICは約1.63億元、BYDは約1.45億元減額され、合計で約5000台の車両が対象となりました。
同日、工業情報化省は「2021—2022年度新エネルギー自動車普及応用補助資金前払い状況表」も公表しました。2021—2022年度に前払いされる補助金総額は1億6789万元で、10省市の19社が対象です。
地域別では、陝西省(3791万元)、深圳市(3556万元)、上海市(3518万元)がいずれも3000万元を超えており、いずれも2021—2022年度における新エネルギー自動車の主要生産拠点となっています。
企業別では、BYDが最も多くの補助金を割り当てられました。陝西省のBYD汽車有限公司と深圳市のBYD汽車工業有限公司がそれぞれ3791万元と3556万元を受け取ります。Tesla(上海)有限公司は3015万元で第2位でした。2021—2022年度において、BYDとTeslaの生産台数が他社を大きく上回ったことが、この補助金配分に反映されています。特にBYDは、陝西省と深圳市の両拠点で急速に生産を拡大し、市場シェアと補助金の両面で優位に立っています。
また、2021—2022年度の補助金は依然として伝統的な自動車メーカーが中心です。FAW-VW(一汽-フォルクスワーゲン)、SAIC-VW(上汽フォルクスワーゲン)、SAIC Maxus(上汽大通)といった合弁メーカーも数百万元規模を獲得しました。一方、新興EVメーカーではLeapMotor(零跑汽車)のみが前払い対象に含まれており、依然として新興メーカーのシェアは限定的であることが示されています。
ただし、今回の補助金はあくまで「前払い」であり、メーカーが最終的に受け取れる金額は、2016—2020年度と同様に再審査を経て決定されることになります。