メキシコ政府がBYD工場計画を中止?米国との関係悪化を回避する狙いか

ウォールストリートジャーナルは26日、中国の電動車メーカーであるBYDがメキシコで計画している工場建設が、アメリカの新大統領としてトランプ氏が当選したことにより大きな不確実性に直面していると報じました。この中国EVの巨頭は、メキシコ中部または北部の自動車製造の主要拠点に工場を設立する予定でした。しかし、この計画によりメキシコは困難な状況に陥っています。アメリカの大統領選の結果が判明した後、メキシコの政府関係者は中国からの投資に対して慎重な姿勢を示し、このプロジェクトがトランプ氏やその政権内の貿易タカ派を刺激することを懸念しています。

トランプ氏は今週月曜日、自身のSNSプラットフォーム「Truth Social」を通じて、移民やフェンタニル密輸問題でメキシコを非難し、メキシコ製品に25%の関税を課すと脅迫しました。

メキシコはすでに主要な自動車製造拠点であり、通常は外国からの投資を歓迎しています。これは雇用を生むためです。BYDは、世界最大のEVメーカーであるテスラと肩を並べる存在であり、通常であれば魅力的な投資先と見なされます。しかし、メキシコの政府関係者は、BYDの工場設立がトランプ氏やその周囲の貿易タカ派に誤ったメッセージを送る可能性を懸念しています。これは、メキシコが中国企業の製品をアメリカ市場に供給するための「抜け道」となる意思があるように映る恐れがあります。メキシコ政府は、自国が中国製品のアメリカ流入の経路になる意図がないことを表明しており、違法移民問題の解決にも進展があると強調しています。

メキシコ政府関係者は、ウォールストリートジャーナルに対し、「現在、中国からの投資を非常に慎重に分析する必要がある」と述べました。さらに、メキシコは「北米の信頼できるパートナー」という名刺を作り上げなければならないとも指摘しました。

このニュースは、トランプ氏が再びアメリカ大統領に当選する前の時点で、すでに予想されていたことでもあります。しかし、中国の自動車メーカーの中には、常に幸運を頼みにしようとする姿勢が見受けられます。彼らはアメリカの強い意志を軽視し、その対抗策をアメリカの「裏庭」、つまりメキシコに持ち込むことで反撃を試みました。この行動には強引さが際立っています。BYDは本当に、アメリカがメキシコに対抗する手段を持たないと考えていたのでしょうか?あるいは、中国が間接的に輸出を行っている証拠を、アメリカが見つけられないとでも思っていたのでしょうか?

国際秩序や国際貿易の中では、妥協と諦めが必要です。しかし、中国政府も企業も、妥協と諦めという概念が頭にないように見えます。赤信号で道を渡れなくなったら「裏道」を探そうとするのです。BYDは、十分な利益さえ提供すればすべての問題が解決できると考えたかもしれません。しかし、メキシコ政府が考慮しているのは、さらに大きな利益です。

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