アメリカ国防総省、テンセントとCATLを「中国軍関連企業」に指定!なぜシャオミ株価が急落したのか?

アメリカ国防総省は1月6日、中国のハイテク企業であるテンセントやバッテリーメーカーCATL(寧徳時代)などを「中国軍関連企業」のリストに追加したと発表しました。米国政府の公報に掲載されたリストによれば、このリストにはテンセント、CATL、半導体メーカーの長鑫存儲技術(ChangXin Memory Technologies)、移遠通信(Quectel)、ドローンメーカーの道通智能(Autel Robotics)などが含まれています。

毎年更新されるこのリストは、アメリカの法律に基づき「第1260H条リスト」として正式に位置づけられており、中国軍と協力関係にあるとされる企業を指定しています。現在、このリストには134社が掲載されており、これら企業の製品を国防総省が購入することを禁止する目的で運用されています。

テンセントは声明を発表し、自社がリストに含まれたのは「明らかな誤り」であると主張しました。声明では次のように述べています。「当社は軍需企業でも軍事関連のサプライヤーでもありません。今回のリスト掲載は、制裁や輸出規制とは異なり、当社の事業には影響を及ぼしません。それでもなお、アメリカ当局と協力してこの誤解を解消していくつもりです」。

また、同じく「第1260H条リスト」に掲載されたCATLも、「これは誤りであり、当社は軍事関連活動には一切関与していない」との声明を発表しました。

このニュースを受けて、テンセントのアメリカ預託証券(ADR)は当日7%以上急落し、翌7日には香港市場でのテンセント株も7%以上の大幅安で取引を開始しました。CATLの株価も中国の創業板で5%以上下落しました。

このリストには100社を超える中国企業が含まれており、一部の企業は訴訟や和解を経てリストから削除された事例もあります。たとえば、2021年にはシャオミ(Xiaomi)が、2024年には禾賽科技(Hesai Technology)がリストから除外されています。

2021年にシャオミが国防総省のリストに掲載された際、中国国内では「CEOの名前が『雷軍(Lei Jun)』だから軍事(軍=Jun)に関連している」というジョークがネット上で話題になりました。しかし、シャオミがリスト入りした主な理由は、CEOの雷軍氏が中国工業情報化省から「優秀な社会主義建設者」として表彰されたことや、シャオミが推進していた5G通信技術やAIへの投資計画が「現代軍事作戦に不可欠な技術」と見なされたためとされています。

その後、シャオミはアメリカ国防総省を提訴し、勝訴しました。シャオミは訴訟で、自社がケイマン諸島に登録されていること、主要株主のうち4社がアメリカの投資家であること、アメリカから部品やサービスを調達していること、クアルコム(Qualcomm)が最も重要な戦略的パートナーの一つであることを強調しました。

しかし、シャオミの株価はこのニュースの影響で一時10%近く下落しました。訴訟を経てリストから除外された後も、投資家は再びリストに掲載される可能性を懸念しています。特に現在、シャオミの電気自動車事業が注目を集めており、雷軍氏が2024年12月に「万枚規模のGPUを使うAIクラスター」の構築を開始すると発表したことから、AI分野への進出がアメリカ政府に標的にされる可能性があります。

シャオミ以外にも、中微公司(AMEC)、中芯国際(SMIC)、福建火炬(Fujian Torch)など、一部の中国企業がリストから除外された事例があります。

今後、テンセントやCATLもシャオミの例にならい、アメリカ当局に対して再評価を求める申請を行う可能性があります。テンセントはゲーム事業を除き、アメリカでの事業展開はほとんどありませんが、CATLはアメリカに工場を建設する計画があるため、訴訟や和解を通じてリストから除外される可能性があると見られています。

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