DiDiがライドシェアの「順風車」を復活させたのは、危険な一歩を踏み出したのか(2)
ライドシェアは絶対的な安全を保証することができない。ユーザーはDiDiをサービス業者とみなして、DiDiと契約をしているのに、ドライバーはDiDiに雇われていないし、車もDiDiのものではないので、そこには矛盾が生じる。
専門家は、ライドシェアは、本質的には低価格の長距離移動サービスとして、必然的に矛盾と危険を誘発しやすくなり、この根本的な問題は解決不可能だとの見方を示した。 「みんなの疑問を解決できる唯一の方法は、公益事業に復帰すること、そして絶対に手数料を取らないこと、さらにはサービス料金の設定もせず、ドライバーとユーザー同士で交渉してもらうしかない」と専門家が見ている。
今回の「順風車」の復活に、業界関係者は様子見姿勢を崩していない。DiDiは公告の中で、「順風車」のオンライン再開が政府部門の許可を経ているかどうかについては言及せず、新スキームの中にも「交通運輸新業態共同監督管理部門間連席会議弁公室への報告」を示しただけで、審査承認意見には言及しなかった。 業界関係者は、「DiDiが監督管理部門と駆け引きをしており、監督管理部門がライドシェアの復活に対する態度を模索しているように見える」と話した。
例えば、新スキームでは、女性の利用時間を5:00-20:00と定めており、このことはソーシャルメディアで急速に拡散され、ネットユーザーの間で話題となっている。
「DiDiの新しいライドシェアサービスは、ユーザーに制限を加え、参入障壁を无限に高くしている。プラットフォームの最も重要なのは効率であるのに、1つのサービスに、これほど制約をかけたら、規模拡大が期待できない。一方、規模そのものがユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を決定し、規模が大きくなるほどマッチング効率は高まる。 この角度から言えば、DiDiの「順風車」は特別な価値のあるビジネスではなくなった。・・・このジレンマからDiDiは脱出しているわけではなく、DiDiはただ、間違いを犯してすぐに改めたと、世間にアピールしたかっただけだ」と厳しい目でみている専門家もいる。
また専門家は、「もし新しいライドシェアがDiDiにとって公益事業であれば、本質的には何千万人もの自家用車オーナーを集めることができ、DiDiの成長エンジンになると指摘している。
しかし今回の新スキームの多くの言い回しは、DiDiの「順風車」が持つであろう公益的な性質を明確にしていないことや、DiDiではユーザーの絶対安全が保証されないことをユーザーに直言せず、例えば女性がライドシェアを利用する時間を制限するなど、DiDiの安全面での諸努力をしたことを示しただけにとどまっている。
どうやら、「順風車」の復活はDiDiにとってはまだ一歩の冒険となっているようだ。今後,安全事故が再発するか否か,行政管理部門やユーザーのDiDiに対する態度が改善されるか否かが、DiDiの今後ビジネス展開を決定する根本的な要素となる。
(終わり)