DiDi、相乗りサービスをグレードアップ
サービス開始4年目に、DiDiは相乗りサービスのアップグレードを発表し、本格的に「相乗り」に回帰している。
DiDiは11月29日、「DiDi相乗りのメディア公開日」を開催し、相乗りサービスをグレードアップすると発表した。これに伴い、DiDiは12月3日を「国民相乗りの日」に設定している。DiDi相乗り事業部総経理の盛克華氏は、「北京、上海、広州など26都市では、当日DiDi相乗りサービスを利用した客に料金の10%、最大100元/回の割引を提供する」と述べた。
新サービスは「時間に焦る顧客とコスパを求める顧客」に対してそれぞれ異なるサービスを提供している。時間に焦る顧客は、配車ページで「相乗りを受ける」にチェックを入れた上で注文を出すと、空車と相乗り車もいずれも迎えにくるから、待つ時間を節約できる。コスパを求める顧客は、「相乗り」を選択し、相乗り専用のページで発注する。この方式で配車システムは、相乗りを申し込んだ客数を集めて、マッチング効率を高め、ユーザーに料金を節約することができる。
乗客とドライバー双方にとって相乗りはウィン·ウィンの方式だ。現在、DiDiドライバーの収入は主に受注収入とインセンティブで構成されている。配車と相乗りの両方を同時に受注すれば、より多くのインセンティブが得られるため、相乗りを受注しているドライバーの収入は、配車のみより14·28%高い。またDiDiのデータによると、過去1カ月間でDiDiドライバーの相乗り受注によって16%の空車率の減少を実現した。
DiDiは相乗りを奨励するため、3人の相乗りを受注した場合、走行距離を1.4倍かけて計算する「相乗り距離計算方法」を適用し、現在、国内52都市で導入している。
これまでDiDiの相乗りは、相乗りのマッチングが成立してもしなくても固定料金だった。こうした方式は需給の両方にとっては「相乗り」の恩恵が少なく、料金も十分に安くない。乗客側からは、「回り道をした、なかなか相乗りできない」など疑問の声が上がっている。このために、DiDiの新しい相乗りサービスは新たな取り組みでこうした問題を解決しようとしている。
DiDiにとって、サービスの進化によって技術面の課題が浮き彫りになっている。乗客の相乗りニーズに基づき、どのようにルートを予測し、相乗りを正確にマッチングさせるかは課題だ。DiDiのCTOの張博氏は、同社はディープラーニングモデルを利用し、リアルタイムの需給予測システムを開発したと述べた。同システムの予測精度は、乗客が相乗りの注文を出してから15分後には85%に達するという。
同時にDiDiは、安全面においてもネット配車の基準を適用しており、すべてのドライバーのプロフィールを審査し、身分証の照合を行う。そして乗客側にも緊急連絡先の設置、位置追跡、乗車中の録音、ナンバー監視などの安全措置を導入している。
ここ4年間にDiDiは、全国235の都市で延べ29億人に相乗りサービスを提供しているという。