ネット配車の事故はタクシーより死亡率が低い
応急管理部情報研究院は7日、「中国ネット配車安全発展研究報告」(略称「報告」)を北京で発表した。 同報告によると、一部のネット配車企業は従来のタクシーよりも安全性が高く、ネット配車交通事故の死亡率は巡回タクシーより26%低かった。同報告書は中国国内初のネット配車の安全性に関して比較的にまとまった報告書で、そこからこの新型ビジネスの現状と特性を見ることができる。
現在、国内のタクシー利用状況では、3人に少なくとも1人がネット配車を利用しており、都市における経営許可を得ているネット配車プラットフォームは、すでに140社を超えている。その中で、安全問題はネット配車ビジネスを制約する重要な要素となっている。プラットフォームによるコントロールが弱く、参入障壁が低く、運営範囲が広く、ドライバーの信用状況が不透明などの特徴があるネット配車は巡回タクシーとは異なったリスクを有している。
応急管理部情報研究院の呉大明氏によると、2012年から2018年にかけて、巡回タクシーによる交通事故の億キロ当たりの死亡率は低下を続け、2018年には0.36%にまで低下した。DiDiの場合、今年上半期のDiDiの交通事故による億キロ当たり死亡率に0.26%に低下しており、巡回タクシーの2018年通年を26%下回っている。
同報告では、19の指標の比較から、交通ルールの順守と安全運転、緊急時の対応など15の項目で、ネット配車のポイントが高く、乗客の安心感も高いことが分かった。 これと同時に、より多くの回答者がネット配車を希望しており、安心して一人でネット配車に乗ることができると答えたのは7割を超えている。
業界ルールの整備と市場ニーズの向上に伴い、ネット配車の評判が回復していることが分かる。しかし、ネット配車の安全問題が改善されたのは、各プラットフォームの努力が欠かせない。
同報告では、国内の一部のネット配車プラットフォームの30以上の安全機能を比較した。その結果、安全性の向上に寄与したポイントが少なくないことが分かった。
DiDiのライドシェアサービスの「順風車」に対する業務停止、試験運営、対応、改善などの情報から、一連の重大な安全事故後、各プラットフォームは安全体制を強化していることが分かる。 DiDiのほか、ネット配車大手の「神州専車」も「安全とサービス」をめぐり、3大コア基準と17項目のベース基準を制定した。もう1つのネット配車大手の「首汽約車」は交通運輸省が発行した「交通運輸企業の安全生産標準化建設等級1級証明書」などを取得している。
セキュリティ専門家の彭成氏は、ネット配車はビッグデータや人工知能(AI)などの技術手段を利用して安全度を高め、より詳細な管理ができると見ている。例えば、ネット配車はリアルタイムで車両の運行状況を監視することができ、またルートの共有、ワンプッシュ警報、車両のルート異常への介入などの機能を備えている。北京交通大学の宋守信教授は、ネット配車業界の健全な発展のために、プラットフォーム、乗客、ドライバー、主管部門による共同運営が必要と指摘している。