高精細測位ソリューションに力を注ぐ「千尋SI」、自動運転車両の「私はどこにいるのか」を解決

自動運転車両にとって、「どこに行くか」や「どう行くか」の問題を解決する前に、まず知っておくべきことは「私はどこにいるのか」ということだ。「私はどこにいるのか」を判断するには、精度の高いポジショニングのサポートが必要だ。高精細測位は自動運転時代のインフラともいえる。

ベンチャー・ITメディア36krが最近取材した「千尋位置網絡有限公司」(Qianxun Spatial Intelligence Inc.、以下は「千尋SI」)は中国国内トップポジショニングサービス会社だ。同社は過去2カ月間、華人運通一汽紅旗とスマート運転やV2Xについて提携すると発表している。このうち、同社が研究開発に参加する華人運通の初の量産車は今年7月末に発表され、20年に正式に量産を開始する。また、同社の位置情報「車線レベル測位ソリューション」を搭載した一汽紅旗も20年に発売する計画だ。

千尋SIによると、車線が不規則で、車線が一時的に覆われ、道路に明白な標識がなく、カーブの曲率が大きすぎるなどの相対位置決定が無効になった場合、千尋SIはスマートカーに高精度な時空感知能力と正確な位置情報を提供することができる。

千尋SIは2015年8月に設立され、中国兵器工業集団とアリババが共同で創設した。同社は「北斗」衛星システム(互換GPS、GLONASS、Galileo)の基礎測位データに基づき、全国に分布する地上強化(CORS)ステーションと自主開発した測位アルゴリズムを利用し、インターネット技術を用いてビッグデータ演算を行い、全国のユーザーに動的状態でのセンチメートル級と静的状態でのミリ級の測位と拡張サービスを提供する。 同社の製品は主にスマート運転、コンシューマエレクトロニクス、農業、公共サービス(例えば家屋検査、電力巡検など)とスマートシティの5種類の応用分野があり、主な取引先は高精細地図メーカーと自動車メーカーだ。

スマートカー分野のほか、千尋SIは今年6月のアジアコンシューマエレクトロニクス展(CES Asia 2019)で、低スペック車、中スペック車、高スペック車に分かれた「低速」自動運転車両の大規模な実用化に対応した高精度測位ソリューションを発表した。「菜鳥」、「智行者」、「新石器」および「主線科技」は率先してこのソリューションを無人物流、無人清掃、無人小売、無人貨物輸送などのシーンでの低速自動運転車に利用した。

千尋SIの資料によると、このソリューションは「サービス、ハードウエア、アルゴリズム」を一体化したもので、千尋知寸(FindCM)センチメートル級の位ポジショニングサービスとカスタマイズ版の高精度位置決定端末、および千尋SIが開発したアルゴリズムを一体化した総合応用サービスだ。OEM側は、千尋SIのカスタム版高精度測位端末を、低速自動運転車両にフィットさせるだけで、車両感知システムは7×24時間でセンチメートル級の精度の位置データを得ることができる。これらのデータを組み合わせた車載システムは,高精度地図上での車両の絶対位置を迅速に見つけることができ、天候、光線、道路標識などによる測位ミスを回避することができる。

同社によると、これまで自動運転業界で一般的に採用されてきた高精度衛星測位方式はコストが高く、開発プロセスが長く、低速自動運転車両大量生産のニーズを満たせない。千尋SIの方式は構成の利便性とコストパフォーマンスなどの面で飛躍的な進歩を遂げている。

千尋ポジショニングスマート運転事業部のシニアプロダクトマネージャーの紀俊逸氏によると、このソフトとハードを一体化した総合ソリューションを採用することで、OEMは個別に評価する必要がなくなり、高精度測位端末とサービスを適合させることができ、測位能力の高度化を「ワンストップ」で実現できる。同時に、千尋SIはこの案の応用コストを半分に下げ、販売価格を数千元レベルに抑えた。

同社の張徳兆CEOによると、L4クラスの低速自動運転車はすでに量産を開始しており、千尋SIの高精度測位ソリューションに適合する車両は1000台以上に達する見込みだ。これにより同社は数百万のコスト削減を実現できる。

新石器の余恩源CEOは、「千尋SIのこのソリューションは、製品統合の敷居を下げるだけでなく、新石器L4クラスの無人車の製品運営とメンテナンスにも大きな便宜をもたらしている。 現在、新石器の無人車は納車段階に入っており、千尋SIと高精度測位サービスと端末ハードウェアの面で更に深い提携を行う。

千尋SIにとって、現在の低速無人車への実用化により、時空データを蓄積することができ、今後の自動運転の大規模運用に良い環境を提供することができる。千尋ポジショニングスマート運転事業部総経理の年力飛氏は、「高精細測位サービスの市場は非常に大きい。IoT時代には「あらゆるものが測位される必要があるからだ」と述べた。

 

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