WeRideとボッシュが一段式エンドツーエンド運転支援ソリューションを発表、年内に量産予定

8月21日、自動運転技術企業 WeRide(文遠知行) は、ボッシュと共同開発した一段式エンドツーエンド運転支援ソリューション 「WePilot AiDrive」 がコア機能の検証を完了し、2025年内に量産車への搭載を計画していると発表しました。これは、両社が2025年2月に量産を開始した「二段式エンドツーエンド」方式に続く新世代製品となります。

従来の運転支援システムは「認識―判断」の二段式アーキテクチャを採用しており、一定の処理遅延が存在しました。「WePilot AiDrive」では、認識と判断を統合した単一のニューラルネットワークを採用することで処理経路を短縮し、応答速度を向上させています。テストでは、都市部の狭い道路、信号のない交差点での右左折、複雑な交通混在環境などで操作が可能であり、車線維持精度は±15センチ以内に収まるとされています。

公式説明によると、本ソリューションは以下の三つの特徴を備えています:

    1. 演算能力への適応:中低演算能力から高演算能力まで幅広いハードウェアに対応可能で、モデル圧縮技術によりハードウェアコストを低減。
    2. マルチセンサー対応:LiDAR、カメラ、ミリ波レーダーによるマルチモーダル融合をサポートするとともに、純粋なビジョン方式にも対応。
    3. 迅速な更新:大規模な走行データに基づき、OTAによる頻繁なソフトウェア更新が可能で、複雑なシナリオへの適応力を向上。

また、ミドルウェア技術を採用することでアルゴリズムとハードウェアを分離し、一部の車両はハードウェアを交換せずにソフトウェア更新で機能拡張が可能です。

業界データによれば、2024年に中国のL2+(L2以上L3未満)対応車種販売台数は前年比144.2%増加し、2025年には普及率が25%を超える見込みです。特に15万~30万元の価格帯が市場の6割以上を占めており、WeRideとボッシュの共同ソリューションはこの価格帯を主なターゲットとしています。すでに一部の自主ブランドが、2025年モデルの主力車種に本システムを搭載する計画を明らかにしています。

サプライチェーン面では、マルチセンサー対応によりLiDARや高精度IMUなど主要部品の需要増加が見込まれています。例えば、村田製作所の6軸慣性センサーが本ソリューションに採用されています。

WeRideとボッシュは2022年から協力関係を築いており、ボッシュがハードウェア統合と車載規格の検証を担当し、WeRideはアルゴリズム開発とデータ循環に注力しています。今回発表された一段式エンドツーエンド方式は、累計200万キロ以上の走行テストを完了し、中国における90%以上の複雑な道路環境をカバーしています。

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