BATHの全面戦争開始:テンセントはモビリティ事業を独立の二級部門に切り離す

(コネクテッドの勢力争いに関する最新ニュースを紹介します)

 6月5日、テンセントの内部発表によると、同社は、モビリティ業務を独立した部門に分離·統合し、これまでのテンセントコネクテッド事業の鐘学丹副総裁が独立した部門の責任者に任命された。分離・統合された部門は、2018年11月に新たに設立されたクラウド&スマート産業事業グループ(CSIG)に所属する。

 新しいモビリティ業務部は、テンセントの組織構成の中で一級部門の次に位置付けられ、ファーウェイが5月29日に設立した一級部門のスマートカーソリューション事業部よりも、明らかにレベル感が異なる。

 とはいえ、これはIoTを全面的に抱擁しようとするテンセントがみせてくれた最新のアクションだ。これでテンセントは、対内的には全社を挙げてソリューションを提供しやすいように、モビリティ関連のすべての業務を統合し、対外的には業務開拓に有利となるように、統一的な窓口を用意している。

 5月に昆明で開催されたテンセントの世界デジタルエコシステム大会で、テンセント未来ネットワーク実験室は、5G車&道協同オープンソースプラットフォームを正式に発表し、最近になって車載Wechatを発表した。これらの動きはテンセントのモビリティ業務再編と連動している。

 BATHのうち、テンセントとファーウェイは高水準の独立した自動車業務部門を設立したのがもっとも遅かった。2015年の上海モーターショーを前にアリババが専門の自動車事業部を設立し、2017年の上海モーターショー期間中に百度がApolloを設立し、2019年の上海モーターショーではファーウェイが初めて出展し、2019年5月に一級部門のスマートカーソリューション事業部を設立すると発表した。

 テンセントは、モビリティ事業の再編を通じて、今後SNS、娯楽コンテンツ、ゲームなどの領域での優位性を生かしてコネクテッドカーサービスの市場で大きく伸ばすことが期待される。またテンセントは、近いうちに、同社のベーシックパワーとみなされる高精度地図においてなんらかの形でアクションを起こすだろうと期待される。

注:BATHは、Baidu(百度)、Alibaba、Tecent、Huaweiの四社を指す。

 

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