ファーウェイの自動車分野への最初の投資は車載イーサネットチップ
ファーウェイ傘下の投資会社哈勃技術投資が、最初の投資先として、最近蘇州裕太車通電子科技有限公司に出資した。後者は主にイーサネットチップの設計と販売を手掛けるベンチャー企業で、最初に発売される製品は車載用チップだ。
哈勃技術投資は、2019年4月に設立され、ファーウェイの完全子会社で、登録資本金は7億元、設立からこれまでに山東天岳、Joulwatt、iDeepWiseなどの半導体や人工知能企業に相次いで投資しており、山東天岳は第三世代半導体材料の炭化ケイ素を研究し、Joulwattは電源管理チップを手掛け、iDeepWiseは人工知能のソリューシを提供する企業だ。
今回投資した裕太車通は、初の製品も車載チップだが、そのイーサネットチップ製品は、自動車のみならず、デジタル通信、セキュリティー、工業、車載の4大分野をカバーすることを目指している。
裕太車通の公式サイトによると、同社は中国国内で唯一PHYチップを量産している設計会社で、同社が開発した「YT8010」は中国国内初の100Base-T1規格に適合したPHYチップで、すでに量産段階に入り、同チップ分野における国際的なチップ大手の独占を打ち破ったと報じられている。
ファーウェイは、裕太車通に投資しており、そのイーサネットチップの自動車分野での応用だけでなく、ファーウェイが猛攻しているセキュリティー分野、さらにデジタル通信と工業をも狙っているのかもしれない。
イーサネットチップは、デジタル時代の高速データ転送に欠かせないハードウェアだ。ファーウェイが裕太車通に投資したことは、他の自動車関連のスタートアップ企業に、チャンスがあれば、ファーウェイからの投資もありうることを新たに考えるきっかけを与えている。
ファーウェイの自動車事業が4月に上海モーターショーに登場し、スマート自動車ソリューションのBU(ビジネスユニット)が5月に正式に発足した。その後、ファーウェイは7月にA級地図の資格を申請し、10月にレーザーレーダーとミリ波レーダーの研究開発を正式に発表し、「計算+通信」のCCフレームワークを打ち出した。
ファーウェイのCCフレームワークから、ファーウェイの自動車事業の枠組みを見ることができ、このプラットフォーム+エコロジーの戦い方の中で、産業チェーンの各分野のプレイヤーがファーウェイのプラットフォームとエコロジーの中に入り込んで、ファーウェイはプラットフォーム施設をしっかり構築し、パートナーに発揮してもらう必要がある。将来的には、ファーウェイの自動車分野へのさらなる投資が見られるかもしれない。