CATL、保険業界に進出!新エネルギー車アフターマーケットへの新たな一手
CATL(寧徳時代)は、このほどWeChat公式アカウントで、アフターマーケットブランド「寧家服務(CATLサービス)」の初の5つ星直営体験センターが福建省寧徳市にオープンしたと発表しました。この体験センターは、バッテリーの保守、検査、車両取引サポート、バッテリーの回収サービスだけでなく、バッテリー保険や新エネルギー車に関する教育プログラムなど、幅広いサービスを提供しています。特にバッテリー保険事業の導入は、業界内で広く注目を集めています。
CATLの保険業界への関心は以前からありました。2017年には、2.99億元を投じて保険会社「小康生命」への出資を試みましたが、最終的に規制当局の承認を得ることができませんでした。それでもCATLは諦めず、2020年には9億元を投じて小康生命の株式30%を取得し、第2位株主として保険業界に参入しました。さらに、2021年には「中国人保財険」と提携し、新エネルギー車のアフターマーケットをターゲットにしています。
CATLの保険事業への進出は単なる市場開拓にとどまらず、これらの投資を通じて保険業界の長期資金を活用し、電気自動車と電力網を連携させることで、電力需要を効率的に調整するいわゆる「バッテリーバンキング」システムやエネルギー貯蔵運営を支援することで、新たなビジネスモデルの構築を目指しています。このような提携は、CATLが新エネルギー車アフターマーケットにおいて、より強い発言権を持つための一助となっています。
電気自動車業界では、特にバッテリー関連のリスクに関して、保険事業は複雑な課題に直面しています。多くの保険会社は、関連するデータや経験が不足しているため、新エネルギー車の保険料の設定やリスク評価が難しいのです。しかし、CATLはその巨大な市場シェアと豊富なユーザーデータを持ち、保険会社に正確なデータサポートを提供できると期待されています。その技術とデータを活用することで、保険会社はより適切なバッテリー保険商品を設計できるようになるでしょう。
新エネルギー車市場の競争が日々激化する中で、CATLにも市場からの圧力が強まっています。近年、同社はバッテリーや完成車メーカーとの提携を通じてフロントエンド市場で優位な地位を築いてきましたが、アフターマーケット、特に新エネルギー自動車の保険や保守サービス分野は、依然として今後の重要な成長ポイントとなっています。CATLが発表した「寧家服務」ブランドは、新エネルギーアフターマーケットにさらに深く入り込み、バッテリー分野での優位性を活かして市場シェアを拡大しようとする動きの一環です。
とはいえ、保険業界への進出は容易ではなく、実際に目に見える成果を上げている企業はごく少数です。CATLが保険事業を通じてその目標を達成できるかどうかは、今後の市場動向と時間が証明するでしょう。