電気自動車の逆風:マッキンゼー調査が明かす驚きの消費者動向
自動車業界が電動化に移行している現在、電気自動車がガソリン車に取って代わることは一般的なコンセンサスとなっています。しかし、コンサルティング会社マッキンゼーの最新の世界消費者調査では、予想外の結果が出ました。
この報告書では、15カ国の3万人以上の消費者に約200の質問が投げかけられました。調査結果によると、電気自動車以外の所有者の38%が次の車はプラグインハイブリッド車か電気自動車になると見込んでおり、2022年の37%を上回りました。電気自動車を検討する消費者の割合は増加しましたが、その増加幅はわずかでした。
一方、電気自動車所有者を対象とした調査結果では、世界の電気自動車所有者の29%が再びガソリン車を購入する可能性があると答えました。米国では46%の電気自動車所有者がそのように考えており、オーストラリアではその割合が49%と最も高かったです。ブラジルでは38%、中国では28%でした。ドイツ、ノルウェー、フランス、イタリア、日本などの先進国では、それぞれ24%、18%、18%、15%、13%と比較的低い割合でした。
この結果に多くの消費者は驚きを示し、マッキンゼーの未来モビリティセンターの責任者であるフィリップ・ケンプショフ氏でさえ、「このような結果になるとは思いませんでした。一度電気自動車を所有したら、ずっと電気自動車を所有し続けると思っていました」と語りました。
マッキンゼーは調査結果の背景にある理由を分析しています。それによると、電気自動車の所有者がガソリン車に乗り換えたい理由はいくつかあります。充電インフラの整備不足、電気自動車の総保有コスト(TCO)の高さ、長距離旅行に不向きであることなどが主な理由です。
中国の電気自動車所有者がガソリン車の再購入を検討している割合は28%で、米国やオーストラリア、ブラジルに比べて低いですが、この割合は徐々に上昇傾向にあります。
今年初めにマッキンゼー・チャイナが発表した報告書「2024自動車消費者インサイト」によると、2023年には電気自動車所有者の22%が次の車を購入する際に新エネルギー車を検討しないと答えました。この割合は2022年の調査ではわずか3%でした。また、三、四級の地方都市の電気自動車所有者の54%が電気自動車の購入を後悔しており、その主な原因は充電の難しさでした。このため、電気自動車市場が広大な農村部や地方都市に拡大するにつれて、この割合はさらに高くなると予想されます。