杭州の5つ星ホテル、新エネルギー車の地下駐車場進入禁止で物議―安全対策か差別か?

杭州蕭山区のある5つ星ホテルが最近、新エネルギー車の地下駐車場への進入を禁止したことで注目を集めています。複数の新エネルギー車の所有者は、ホテルが「消防安全を考慮している」と説明しているものの、この制限に不便さや差別的な対応を感じているとのことです。

9月初め、ある新エネルギー車の所有者がホテルにチェックインした際、警備員により地下駐車場の入口で停車を指示され、ホテル裏手の地上駐車場に案内されたとSNSに投稿しました。この所有者は、「地上の駐車スペースは限られており、暑い気候では駐車環境が理想的ではない」と不満を述べています。ホテル側は、新エネルギー車の自然発火による火災を防ぐために、この規定を9月から施行したと回答しました。

現地を取材した記者によれば、地下駐車場の入口には青い警告板が設置されており、次のような案内が記されています。

「尊敬する新エネルギー車のオーナー様へ

こんにちは!地下駐車場は比較的密閉された空間のため、新エネルギー車の駐車に際して安全を考慮し、ホテルでは専用のワイドボディ駐車スペースをご用意しております。お車は指定されたエリアに駐車していただけますようお願い申し上げます。ご理解とご協力をありがとうございます。」

記者が地下駐車場を確認したところ、新エネルギー車は一台も見当たらず、ガソリン車はすでに満車の状態でした。

さらに記者が警備員に確認したところ、新エネルギー車はホテルが特別に用意した廃工場の跡地を改装した地上駐車場に駐車するよう案内されることが分かりました。駐車スペースは広く、万が一発火しても他の車両や周囲への影響が地下駐車場よりも少ないとのことです。

最近、韓国のマンションの地下駐車場で電気自動車の火災が発生し、甚大な被害が出た事件や、中国国内でも電気自動車の火災事故が報じられています。例えば、最近の恵州市のマンションの地下駐車場での新エネルギー車火災などが、公衆心理に影響を与え、この措置の背景にあると考えられます。

この件はネット上で広く議論され、ネットユーザーの間で意見が分かれています。あるユーザーはホテルの安全配慮を支持し、新エネルギー車には自然発火のリスクがあり、地下駐車場は密閉されているため事故が発生した際に対応が難しい点を理解できると述べています。一方、他のユーザーは、ガソリン車にも発火リスクがあるのに新エネルギー車だけを制限するのは不公平だと批判しています。

新エネルギー車の普及が進む中、各地で事故が頻発していますが、中国の電気自動車の品質、特に安全性に関するデータは一般に公開されていません。業界やメーカーは、ソーシャルメディアでの暴露やテストに対して厳しい管理を行っており、業界内部では新エネルギー車の安全性に関する議論が「民族工業を脅かすもの」と見なされています。

電気自動車の安全性については社会全体が関心を寄せていますが、情報の非対称性が問題となっています。今回の杭州のホテルの決定は、電気自動車の安全性に対する社会的懸念をさらに高める可能性があります。

この懸念を解消するためには、業界や自動車メーカーが中国の消費者に対して電気自動車の利用体験や評価データを透明に公開し、ネガティブな情報を隠すのではなく、正面から対応する必要があります。

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