固体電池の詐欺?中国で本格的に固体電池を製造する企業は存在するか?

最近、新興メーカーの重役2人が固体電池の問題で対立し、業界の注目を浴びています。

IM Motor(智己汽車)のCEOである劉涛氏は、IM L6が初の量産車として超高速充電固体電池を搭載するとSNSで発表し、技術革新が時代の進歩を促進していると強調しました。一方、BYD傘下のDENZA(腾勢)の販売部門の総経理である趙長江氏は、IM Motorが半固体電池を宣伝していると暗に指摘しました。劉涛氏は、技術革新がIM Motorの進むべき方向であると反論しました。

一部の専門家は、このような宣伝を「固体電池詐欺」と呼び、国内の一部の自動車メーカーやバッテリー企業が固体電池の生産ラインが正式に稼働していると主張しているが、実際に生産しているのは「半固体電池」であると指摘しています。これらの電池は片側の電極にのみ固体電解質を採用し、残りは従来の液体電解質を採用しています。

業界内では、半固体電池は従来のリチウム電池から全固体電池への移行製品に過ぎず、性能は全固体電池に及ばないと考えられています。企業は固体電解質を少量添加するだけで、「固体電池」とアピールすることができ、市場の注目を集め、車種の販売増を後押ししています。

しかし、「全固体電池」は全く別な技術である。全固体電池は未来の電池の究極の形とされており、従来のリチウム電池に比べて、航続距離が長く、小型・軽量で、安全性が高く、サイクル寿命が長く、充電速度が速いなどの利点があります。全固体電池が成熟すれば、新エネルギー車の航続距離は1000キロを簡単に超え、充電時間は15分に短縮される可能性があります。同時に、自然発火のリスクも大幅に低下します。

2022年4月8日、日産自動車は全固体電池の開発に成功し、世界の自動車業界を揺るがしました。しかし、日産の固体電池は量産の困難さやコストの高さなどの課題に直面しており、2025年に小ロットのトライアルを開始し、量産モデルへの適用は2028年になる見通しです。

一方、中国、米国、韓国など多くの自動車メーカーや電池メーカーも固体電池の研究開発を加速しています。今後10−20年以内に、固体電池のコア技術を掌握した企業が、世界の新エネルギー自動車分野のリーダーになる可能性があります。

現在、中国国内で固体電池の研究開発に取り込んでいる企業には、翔豊華、北京衛藍、清陶能源、贛鋒リチウム業、輝能科技、CATL(寧徳時代)、BYD、Gotion(国軒高科)、蜂巣能源、孚能科技、北汽藍谷、当昇科技、新綸新材、多弗多などが含まれます。

しかし、2023年3月現在、市販されているいわゆる「固体電池」はすべて「半固体電池」であり、全固体電池の量産化には約10年かかる見込みです。

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