StellantisとCATLがスペインでLFP工場建設 新拠点にみる中国電池への依存深まり

 11月26日、Stellantis と CATL(寧徳時代)は、スペイン北部サラゴサ県フィゲレルアスにおいて、総投資額 41 億ユーロのリン酸鉄リチウム(LFP)電池セルおよびモジュール工場の建設を正式に開始しました。本プロジェクトは、両社がそれぞれ 50% を出資する合弁会社によって運営されます。

 地方政府に提出された資料によると、工場の計画年間生産能力は 50GWh で、約 60 万台の電動車に搭載可能な規模とされています。プロジェクトは段階的に進められる予定です。

    • 2025年末:初期生産ラインの稼働開始
    • 2028年:設計生産能力の 30% に到達
    • 2030年:全面量産を実現

 工場はサラゴサにある Stellantis の完成車工場に隣接しており、EU から 3 億ユーロ超の特別支援を受けています。また、アラゴン州政府は、中国人従業員の就労許可手続きを進めるとともに、電池サプライチェーン関連企業のさらなる誘致を目指しています。

 Stellantis にとって、本プロジェクトは電池供給を確保するうえで極めて重要な施策です。新工場で生産される低コストの LFP 電池は、サラゴサ、ビーゴ、マドリードの 3 つの Stellantis 完成車工場に直接供給され、STLA Small プラットフォームを用いた小型 EV の競争力向上につながる見込みです。計画では、同工場の LFP 電池は「高品質・高耐久・手頃な価格」を特徴とする B セグメントおよび C セグメントの純電動セダン、クロスオーバー、SUV 向けに供給され、中航続距離モデルを主要ターゲットとしています。

 過去数年間、EU は域内電池産業の育成に巨額の資金を投入してきましたが、Britishvolt と Northvolt は相次いで破綻し、Stellantis とメルセデスの ACC 工場も停滞、あるいは閉鎖のリスクに直面しています。一方、フォルクスワーゲンの PowerCo も、EV 需要の減速を受けて計画の縮小を余儀なくされています。

 これに対し、CATLは欧州での事業拡大を着実に進めています。ドイツ工場はすでに安定稼働しており、ハンガリー工場も設備調整の段階に入りました。今回のスペイン工場の建設は、同社の欧州における事業基盤を一段と拡大するもので、欧州の電気自動車産業が中国の電池製造リソースに依存する度合いがさらに高まっていることを示しています。

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