世界初、ナトリウム電気自動車が量産開始

地場新エネ車メーカーの江鈴集団新能源(JMEV)と動力電池メーカーの孚能科技(英語名:Farasis Energy)は12月28日、孚能科技のナトリウムイオン電池を搭載した世界初のナトリウム電気自動車のラインオフを発表しました。

2023年6月、工業情報化省は第372回「道路機動車両生産企業及び製品公告」を発表しました。その中には2つのナトリウムイオン電池を使用した車種が含まれており、江鈴集団新能源と孚能科技の提携した車種がそのうちの1つです。

説明によれば、現行のナトリウムイオン電池のエネルギー密度は140-160Wh/kgで、マイナス20℃の放電容量保持率は91%以上に達することができます。計画によれば、孚能科技は2024年に第2世代ナトリウムイオン電池を導入し、エネルギー密度は160-180Wh/kgに達する予定です。そして2026年には、製品のエネルギー密度をさらに180-200Wh/kgに引き上げる予定です。

各企業の発表情報を見ると、今年に入って多くの動力電池メーカーがナトリウムイオン電池製品を発表し、量産供給能力を備えているとアピールしています。例えば、中科海のナトリウムイオン電池を搭載した「思皓花仙子電気自動車試験車」が2月に初公開されました。CATL(寧徳時代)は4月に、ナトリウムイオン電池を地場メーカーのChery(奇瑞)の車種に初搭載し、年内に正式に発売する予定だと発表しました。また、BYDのナトリウムイオン電池も2023年第4四半期に発売され、A00クラスモデルの「シーガル」に先駆けて搭載されるとの報道もあります。

ただし、注目すべきは、現在は炭酸リチウム価格の変動の影響を受け、短期的にはナトリウムイオン電池のコストに大きな優位性がなく、その大規模な商業化応用のペースがある程度減速していることです。CATLやBYDなどの動力電池メーカーもこれを受けて量産計画を緩めています。

一方で、中長期的にはナトリウムイオン電池市場に対して楽観的な見方もあります。これは、ナトリウムイオン電池がリチウムイオン電池と鉛電池の間で性能とコストのバランスを取っているだけでなく、ますます成熟した産業チェーンが原材料供給がリチウムイオン電池に比べて、供給リスクを効果的に緩和しているからです。その上、ナトリウムイオン電池は低温性能が良く、安全性が高いなどの特性を持ち、主にA00級、A0級、A級の小型新エネルギー自動車に用いられ、風力、太陽光力電池エネルギー貯蔵、ポータブルエネルギー貯蔵などの応用シーンにも高い適用性を持っています。

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