世界初の大規模利用、北京冬季五輪で800台以上の水素燃料電池車

新エネ車情報サイトの「第一電動」は2月4日に開幕した北京冬季五輪での水素燃料電池車の利用状況を紹介した。これによると、30以上の水素ステーションが整備され、816台の水素燃料電池車が大会用車両として利用されている。これは水素燃料電池車の運営としては世界最大規模となる。

今回の冬季五輪にサービスを提供する水素燃料電池車は主に北汽傘下の商用車メーカーFoton Motor(北汽福田汽車)の欧輝水素燃料バスで、うち(北京市)延慶競技区は212台、崇礼競技区は515台。同車両はSinoHytec(億華通)トヨタ自動車、福田汽車が共同で発売した。

五輪およびパラリンピックのグローバルスポンサーであるトヨタ自動車は、北京冬季五輪の大会用車の提供者でもある。トヨタ自動車はすでに北京冬季五輪組織委員会に2200台の新エネルギー車を引き渡しており、その中にはトヨタ自動車が初めて中国で大規模な使用を開始したFCEVモデルの第2世代MIRAI、交流会向けに開発・設計されたコスター水素エンジンが含まれる。

北京冬季五輪組織委員会の統計によると、現在まで、北京冬季五輪競技の交通サービス用車両のうち、トヨタ自動車が提供する省エネ・クリーンエネルギー車両が乗用車のうち100%、全車両のうち85.84%を占め、冬季五輪の歴代最高となっている。

今回の北京冬季五輪では30ヶ所以上の水素ステーションが運営されている。うち、シノペック(中国石油化学)が担当する北京慶園街水素ステーション、北京王泉営水素ステーション、北京燕化興隆油水素共同建設ステーション、河北崇礼西湾子水素ステーションは2021年9月初めに稼働を開始している。この4カ所の水素ステーションはいずれもシノペック傘下の燕山石化社から水素で供給されている。燕山石化はこれまでに北京市と周辺市場に高純度水素を260トン超供給している。

ペトロチャイナ(中国石油天然ガス)も北京冬季五輪に向け、河北太子城水素ステーション、北京福田水素ステーション、北京金龍総合エネルギーサービスステーション、河北崇礼北油水素共同建設ステーションの4カ所の水素ステーションを建設、投入し、冬季五輪期間中の1日の水素供給能力は5500kgに達する。現在、水素燃料電池車に充填される水素は主に水素を含む工業副生ガスから分離、精製されている。

「今回の冬季五輪の運用により、中国の水素燃料電池車のコア技術の蓄積になる」と清華大学車両、運搬学院の楊福源教授が明らかにした。

統計データによると、中国の水素燃料電池車の保有台数は昨年末時点で7352台である。水素自動車が直面する問題は、主に生産コスト、水素ステーション建設、水素エネルギー輸送という3つの難題で、一般企業が解決するのは難しく、国レベルで推進する必要がある。これらの問題が効果的に克服され、一定の規模化が形成されると、水素エネルギーの利用は急速に拡大する可能性がある。今後10年間は水素燃料電池技術のコストは約85%下がると予想している業界専門家もいる。

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