AutonaviとAliyunがスマートハイウェイソリューションを発表

高徳地図(以下はAutonavi)と中国道路学会は6月14日、世界交通輸送大会でAutonaviスマート交通応用フォーラムを開催した。フォーラムでは、Autonaviと阿里雲(以下はAliyun)が共同でスマートハイウェイソリューションを発表した。これは、2017年に「Urban brain/スマート交通」を発表したのに続き、Aliyunと共同でスマート道路網の構築に向けた新たな「スマート+」ソリューションである。同ソリューションが発表された後、2019国際ビッグデータ産業博覧会で先端科学技術成果賞の新技術賞を与えられた。

Autonaviの董振寧副総裁は、「都市と高速道路は異なる移動シーンだが、スマート交通を建設する本質は道路網をスマートにすることであり、交通システムにおける個人の最適化と全体の最適化の間の動的バランスを実現することだ」と述べた。このため、AutonaviとAliyunがスマートハイウェイソリューションを発表したのも、高速道路管理会社と共同で、「スマート+」という科学技術手段で高速道路の人と車が全面的に協力し合い、道路網をスマートにすることを希望しているからである。

董振寧氏は、「現在、中国の高速道路が直面している主な問題点は安全と渋滞であり、主な原因は道路網の利用の不均衡、データ価値の発掘不足、共同管理プラットフォームの欠如、事故予防と処置の効率の不足などによるものだ」と指摘した。そのため、高速道路網を構築し、交通データを接続させ、すべての情報を一つのクラウド側に配置し、鳥瞰的視野で調整することは、既存の高速交通の問題を効果的に解決する方式である。このため、同社はAliyunと共同で「スマートハイウェイ」という革新的なソリューションを構築し、クラウドプラットフォームを通して既存の高速道路網のデータ情報を接続させ、交通参加者と効果的な連動を目指している。

スマートハイウェイソリューションの中核的なアーキテクチャは「1+1+N」である。 具体的には、スマートハイウェイソリューションは2つの層に分けられる。1つは、基盤となるデータ処理層であり、データ底層(「1」)と総称され、スマートハイウェイの技術基盤である。上段はアプリケーション層であり,アプリケーションコンポーネント(「N」)と総称され、スマートハイウェイのデータと技術力に基づいて創出された異なるシーンに対応する一連の知的アプリケーションである。 データ処理層とアプリケーション層の中心となる能力は、状態認識(「1」)である。つまり、録画設備、「IoT」製品、インターネット機器などから大量の交通ビッグデータを取得し、人工知能に基づくデータ融合技術を通して、道路状況、事故情報を迅速に識別し、管理者に速やかに処置するよう注意を促す一方、ユーザーに速やかに通知し、安全な移動を実現する。

スマートハイウェイソリューションは、高速道路運行モニタリング、異常事態の発見と処置、将来の道路状況の予測、人々の「お出かけ」、モビリティの安全管理などの目標をカバーし、各目標に対して少なくとも1つ以上のスマート応用サービスを提供している。

Autonaviは、中国最大の「人と場所の関係」に関するビッグデータプラットフォームである。ポジショニング分野ではPOIが300以上の都市をカバーしている。交通ビッグデータ分野では、リアルタイムの道路状況が南シナ海の三沙市、マカオ、台湾を除く中国のすべての地方都市をカバーし、精度は90%を超えている。

豊富な「人と場所の関係」のビッグデータに基づくエコシステムを有するAutonaviは、中国交通モビリティ業界の5大標準装備(注)といわれている。QuestMobile 2018年12月の統計によると、Autonaviアプリの月間アクティブユーザーは4億人を超え、淘宝や微博、今日頭条などに並んで、必須アプリになっている。また、Autonaviは、国内主要自働車メーカーと提携し、車載標准アプリとなっており、約200都市の交通管理部門と協力し、交通警察の標准装備となっており、国家観光局と手を携えて、中国の圧倒的多数の5A、4A級観光地をカバーし、観光地案内の標準アプリとなっている。

董振寧氏は、スマートハイウェイソリューションが発表された後、AutonaviとAliyunは高速道路管理会社と提携し、中国の高速道路網をスマートにするとの方針を示した。今後1年間で、スマートハイウェイソリューションは10の省・市の高速道路網に導入され、休日の道路渋滞を20%、2次事故を20%削減することを目指すと紹介した。

注:個人移動、車載、ポジションニング、交通警察、観光地案内での必須サービス

 

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