ファーウェイの自動車事業、コンシューマー事業と統合へ
11月16日、ベンチャー・ITメディア36krの情報によると、ファーウェイのスマートカーソリューションBUはコンシューマーBGと統合を進めており、現在2つの部門は投資面ですでに統合されており、総責任者はファーウェイコンシューマー業務CEOの余承東氏(Richard Yu)だ。ファーウェイ側は上述の報道についてまだ回答を発表していない。
以前、スマートフォン「Mate40」シリーズの中国国内発売会で、ファーウェイはスマートカーソリューションブランド「HI(Huawei Intelligent Automotive Solution)」を「ついでに」発表したが、当時多くの自動車メディアは意外に思った。今から見ると、スマートフォンと自動車製品が「部門を超えて」同じ台に登場するのは、明らかに「(スマホ発表会の)人気に便乗する」ほど簡単ではない。
ファーウェイの組織構造には、3大BGと2大BUがある。BG業務はそれぞれキャリアネットワークBG、エンタープライズBGとコンシューマーBGである。BU事業にはCloud & AI BU(クラウド事業)とスマートカーソリューションBUが含まれる。2019年5月27日、ファーウェイは組織変更を行い、ICT管理委員会の管理下にあるスマートカーソリューションBUを設立したと同時に、ファーウェイは自動車を製造せず、ICT技術に焦点を当て、自動車向けICT部品の増量サプライヤーとなり、企業の自動車製造を支援すると表明した。
ファーウェイのスマートカーソリューションBU の業務には、スマート運転、スマートコックピット、コネクテッドネットワーク、スマート電動、スマートカークラウドの5つの部分が含まれる。一方、車載5Gモジュール、TBox、HarmonyOS(鴻蒙オペレーティングシステム)、車とスマホの連携サービスHiCarなどはいずれもコンシューマーBGの技術であり、スマートコックピットもこれらの技術の一部に基づいて構築されている。そのため、ファーウェイのスマートカーソリューションBUとコンシューマーBGの統合は、自動車関連業務の統合ともいえる。
また、対外的な宣伝においても、余承東氏がファーウェイの自動車業務を代表して登場する兆しが見られる。11月14日、余承東氏は、ファーウェイを代表して、長安汽車とCATL(寧徳時代)と共同で新しいハイエンドスマートカーブランドを構築すると発表した。
ある自動車業界関係者は、米商務省の制裁により、ファーウェイは、チップ業務の継続が難航し、今年は売上高減少の圧力に直面していると分析したうえ、「スマートカーソリューションBUのような短期的に利益を生むことができない部門は他部門と統合されるキッカケとなっている」との見方を示した。
米商務省が今年9月に実施したチップ製造技術制限令の経営への影響を最小限にするため、ファーウェイは傘下のサブブランドのHonorスマートフォン事業の売却に着手している。
一部の業界関係者は、Honorブランドのスマートフォン事業が分離した後、コンシューマーBGの事業に大きな空白が生じると見ており、「余承東氏も自動車事業を引き継ぐことを望んでいるに違いない」と見ている。ファーウェイ輪番董事長の徐直軍氏は、「10年後の自動車業界では、ファーウェイはスマートフォン業界のように非常に強くなるかもしれない」と自動車事業への期待を示した。