シャオミSU7の衝突炎上事故、BYDバッテリー搭載、自動運転の安全性問題が浮上

4月1日午後、香港株式市場でシャオミ(Xiaomi)グループの株価は5.49%急落し、46.5香港ドルで取引を終えました。これは3月19日の過去最高値59.45香港ドルから21.7%以上下落した値です。

この下落は、同社の電気自動車が中国で致命的な事故を起こしたことが要因とみられています。この事故により、同社の先進運転支援システムの安全性に対する懸念が高まっています。3月29日にネット上に流出した動画や画像によると、安徽省で電気自動車が高速道路の中央分離帯に衝突し、炎上しました。焼け残った車体から、事故車両がシャオミ SU7であることが確認されました。衝突後、車両は激しく炎上し、フロント部分はほぼ全損状態でした。乗員の家族を名乗るネットユーザーによると、衝突によりドアがロックされ、バッテリーが爆発炎上し、乗車していた3人が焼死したということです。

4月1日、シャオミグループは中国のSNS「Weibo(微博)」で声明を発表しました。同社によると、事故は3月29日夜に発生し、事故発生時点で車両はNOA(注)作動中で、時速116kmで走行していたと説明しました。また、事故のタイムラインを公開し、システムログによると、運転システムは障害物を検知後に警告を発し、減速を開始したと述べました。その後、ドライバーが車両を手動運転に切り替え、衝突直前の時速は97kmだったとしています。しかし、声明では3人の死亡については言及されませんでした。

公式資料によると、シャオミのNOA機能は、自動車線変更、加減速、旋回やブレーキ操作が可能とされています。現在の中国の交通法規では、高度運転支援システムを使用中でも、ドライバーはハンドルから手を離してはならないと規定されています。

事故後、中国最大の電気自動車用バッテリーメーカーであるCATL(寧徳時代)は即座に声明を発表し、事故車両には自社のバッテリーが使用されていないことを明らかにしました。一方、中国の別の大手バッテリーメーカーBYDは、事故車両に自社のバッテリーが使用されていたことを認めましたが、BYDの電池子会社が提供したのはバッテリーセルのみであり、バッテリーパックの設計はシャオミ側が行ったと強調し、責任回避の姿勢を見せました。

中国の新エネルギー車市場では、「スマート化」が最も一般的なマーケティングの売り文句となっています。しかし、自動運転や運転支援システムはまだ初期段階にあり、大きなリスクを伴います。ところが、中国ではこの種の事故が発生した場合、公正な第三者調査が行われず、原因が公表されないため、再発防止が難しいのが現状です。

シャオミの声明を読む限り、責任はすべてドライバーにあると暗に示しています。つまり、「システムが障害物を検知した後にドライバーが運転を引き継いだ直後に衝突したのだから、運転を引き受けた以上、システムがブレーキをかけなかったことを責めることはできない」という論理です。

ここ数日、中国のネットユーザー間で最も話題になっているのは、シャオミのCEO・雷軍氏の政治的影響力です。彼は最近、国家指導者との面会を果たしたばかりです。

新技術に取り組む企業にある程度のリスクが伴うことは理解できます。しかし、情報統制や事実報道の抑圧まで容認することはできません。近年、中国の主要企業に関連する事故や不祥事は、いずれも異例の扱いを受けています。調査が行われる前から政治的結論が決まってしまう傾向が見られます。ファーウェイやBYDの事故事例も同様に、批判的な議論がタブー視されている状況です。中国国内のインターネットではネガティブな意見がシステマティックに削除されるなど、こうした状況は極めて憂慮すべき事態と言わざるを得ません。

注:NOA(Navigate on Autopilot)とは、先進運転支援システム(ADAS)の一種で、目的地を設定すると自動的に運転する機能であり、中国の自動車メーカーがテスラのFSD(Full Self-Driving)に倣って開発しており、一定の条件下では運転者がペダルから足を離して手放運転することができます。

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